マザー4 公演情報 サヨナラワーク「マザー4」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     フライヤーには、5名の女優が写っているが1部Wキャストの為、登場するのは4名である。華4つ☆

    ネタバレBOX

     板上は基本的に素舞台。三方奥に黒幕を張り、ホリゾントにはほぼ全体を覆うような薄いグレーのパネル。上辺のコーナーのみ角が切り取られている。50㎝程間を開けて幅30㎝程の真っ白な板が天井部、ホリゾント部分、床をコの字に覆っているが奥より客席側の方が幅広くなっているため、丁度絵画の遠近法のように、中央パネルに観客の視点が集中する仕組みになっている。完全なシンメトリーである。この演劇空間を照明が実に効果的に照らし出すことで演技がくっきり浮き上がるように見えるのは実に効果的だ。
     明転すると登場するのは4人の女性、何れも同い年の24歳、全員同じような指輪をはめている。物語はエレベーターの内側と出た場所、即ち内側と外側で展開する。而もほぼ同じ場面が延々と繰り返される。というのも奇妙なことに新たに乗って来た女性が「何階ですか」と尋ねられ「5階をお願いします」と応えるとこのシーンが延々と続くからである。乗客は5階で降りる女性を含めて4名、服装は夫々異なる。彼女達は、この不可解の原因をあれやこれやと考えるのだが、この思考過程を通して解を見付けてゆくのが今作の中心的な流れであり、物語である。意外にもあるジャンルの話で、それをこのように表現している発想が卓抜。脚本と舞台美術のセンスの良さ、演出の良さ、照明の見事なことが評価できる90分弱の作品。5つ星を付けなかったのは、前説で着席をキセキと発音したことで国語力の余りのお粗末を露呈したから。演劇は総合芸術だ。ジョークでやっている可能性を100%排除する訳では無いがジョークとは思えなかった。

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    2022/12/22 17:00

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