満足度★★★
「現代の渋谷の若者へ」寺山修二作品による蜷川幸雄からのアナーキーな挑戦状!
前にも一回やってましたが、開演前に舞台奥の扉を解放し、劇場真裏の搬入口?が舞台上に見えて、劇場内が同じ空気になる。
一般の通行人、普通に走っている車も見えて「渋谷の街」と一体になっている、つながっている感じがする。
その奥の駐車場から舞台上に、旗を振りながら若者たちが駆け込んできて、芝居が始まり、劇需要は一気に安保闘争当時の裏町の世界に。
蜷川さんがコクーンでやるときには、必ず「現代の渋谷の若者への挑戦」を意識しているよう。
しかも、演目が、安保闘争を舞台にした寺山修二の処女作というから強烈です。
舞台中央に公衆便所、首つり自殺、リンチで殺される男、登場してすぐに犯される女、苛立ちと行き場のないパワーがアナーキーにぶつけられます。
そして、俳優たちは、再び渋谷の空気に飛び出して行きました。
私の注目は、江口のりこ さんでしたが、さすがにこのメンバー
の中では普通に見えます。
出番は少なくて残念ですが、三谷昇さんの演技が楽しめたのも
良かったです。