満足度★★★★★
初の客演を迎え,劇団のカラーも一段と鮮やかに。監視されることの危険と安心。
劇団公演のいいところは、観客が、観終わって数ヵ月後にふたたびこの「おきにいりの雰囲気」の芝居の世界に「帰ってこれること。」
まるで家族のいる実家に帰ってきたらみんな相変わらずの生活をしている・・・みたいな。
「また帰ってきてください。僕らはいつもここにいます。」と、
キャラメルボックスで西川さんがカテコの最後に毎回言うように。
「虚構の劇団」の芝居をこれまで4公演観ましたが、
その特長は、若さ・爽やかさ・優しさ・甘さのある芝居に、
今の社会の問題点をリアルに取り入れている世界観だと思う。
鴻上さんのまなざしは、「常に暖かくて優しい」。
劇団に対しても、若者やこの世の中に対しても。
今回は「監視カメラ」「監視社会」「盗撮」の問題をとりあげながらも、
防犯・安全としての役割、「ネット中継」「Webカメラ」など
良い面もあわせて描いているところがさすがです。
最後も、後味良く、前向きに明るく終わるのもいい。