ジャンキー・チエの木人件 公演情報 グワィニャオン「ジャンキー・チエの木人件」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     配信もあるそうである。生舞台を観劇できなかった方々は是非この傑作を観るベシ! 華5つ☆

    ネタバレBOX

     福島県の豪雪地帯に位置する九段町は近隣4町村と合併することとなり、人口僅か6000という規模に過ぎないにしても来年には自治体としての歴史を終え消滅の憂き目をみる。住民にとっては自らの故郷を失いアイデンティティが曖昧化することを意味する。そこで町役場では、最後の華を飾ろうと東京から歌手や劇団を呼んでフェスティバルを開催することとした。然し担当が演ずる劇団を2団体頼んでしまった。予算は1団体分しかない。だがダブルブッキングしてしまったのである! おまけに当の担当者はその事実に気付いたのであろう出演者がやって来る本番前日から行方を晦まし何十回留守電を入れても返事が無い。担当を代行したのは役場の若手女子と担当の上司である。然し2人共、東京の演劇事情に関してはずぶのトウシロウである。約束通りやって来た2つの劇団は、タイプが全く異なる。1つは若手劇団で結成して日も浅いエンタメ指向。対してもう一方の劇団はメンバー既に人生の半ばを終えたような30年も夢に縋っている人々で所謂アングラ。で、ずぶのトウシローである役場の女子が演劇だけで食べているのか? 問われると、アルバイトをし乍らとの答え。このように建前と本音というより、夢を追い続ける実際の小劇場演劇集団メンバーの生活と日本という国で実際に起こっている事実との対比が、ド素人の発する忌憚のない質問という形を通して明らかになってゆく。而もこれだけでも凄いのにかつて一世を風靡したデンスケによく似たキャラが登場して当に飛び道具として大活躍。これでもか! と謂わんばかりの箍外しをやってのけるから堪らない。観客は単なる笑いや苦笑いでは無い面白過ぎると同時に痛烈な泣き笑いという極めて複雑な感情を呼び覚まされ、且つその感情の波に洗い流される。全編、このノリであるから、観た者は唯唖然とするほかは無い。

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    2022/11/20 05:46

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