満足度★★★★
同じストーリーというだけ
2つの団体によるチェーホフ「熊」の上演。同じストーリーというだけで、全く違う芝居。前者は男性の演出家、後者は女性の演出家、ってことをちょっと思ったりする演出の異なり方でした。見た順は「このしたやみ」→「ルドルフ」。
「このしたやみ」の「熊」は、純粋に二人芝居。会話しているようで、会話してない。空間も同じのようにもみえるし、同じじゃないようにも見える。
最初の長い語りで、若干睡魔に襲われなくもないし、早口でまくし立てられると何を言ってるかわからなくなったりもするし、二口さんが落語をやってるようにも見えてくる。必死で可笑しい、いとおしい熊さん。最後はご褒美、かな。まぁ、相手も人間なんだけど。
と、私は見ましたが、良くも悪くも京都の前衛系。
「ルドルフ」の「熊」はなんとなくロシアな雰囲気を出そうとしてるかもしれないセットに、純日本歌謡から。ただし、それ以外は比較的普通?に進む。チェーホフっぽいダルさとかはあんまりなくて、カラっと気持ちよく見てられるテンポ。
途中、テンションあがってきた後、ラストまでの引っ張りは色々な面でお見事。That's小劇場。なぜかでてきた感想は「オタク系チェーホフ」だったけど、理由は不明。
なので、次は三人姉妹か桜の園をやってください。
同じ芝居を演出違いで見せる上演形態は、過去に京都で何作か見ましたが、どちらにしろ面白いですね。
休憩中(20分)に販売してたボルシチは美味しかったけど、夜とか雨とかだったら寒そう・・・と、思いました。
ルドルフ×このしたやみ 「熊」
2010/1/23 アトリエ劇研にて
ルドルフ(演出:筒井加寿子):岩田由紀 駒田大輔 中嶋康喜
このしたやみ(演出:山口浩章):二口大学 広田ゆうみ