実演鑑賞
満足度★★★
1910年(明治43年)8月24日、43歳の夏目漱石は胃潰瘍の療養の為、伊豆の修善寺・菊屋旅館に滞在。胃疾患から来る800ccもの大量吐血ののち、危篤に陥る。16本のカンフル注射を打たれ30分後に意識を取り戻すが、その間臨死体験を彷徨っていた。(『修善寺の大患』)。
その6年後に逝去している。
今作は「夏目漱石はその30分間、何を見ていたのか?」の井上ひさし流解釈。宮沢賢治的な育英館開化中学(現在の高校)での不思議な遣り取り。漱石作品の登場人物達が大集結。
こまつ座初登場の賀来千香子さんが大奮闘。漱石の妻から複数の役をこなし、観客を盛り上げる今作の大黒柱。
旅館の女中役、栗田桃子さんも沸かせた。本当にカメレオンのような女優だ。