夢見る乙女じゃいられない 公演情報 たすいち「夢見る乙女じゃいられない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    その世界を表す力
    単純に才能と生きていくことへの折り合いといった話なら
    別に驚きもしないのですが、
    主人公の内側の描き方がかなりすごい。

    しっかりと、やられました。

    ネタバレBOX

    とある漫画家、
    3度の連載打ち切りにもめげず
    再び作品を書き始めるところから物語がはじまります。

    青春群像劇かと思いきや・・・。

    彼女を対象にした同人誌の世界があって。
    就職活動をしながらそのパターンをなぞる
    女性がいる・・・。
    彼女のマンガの別の世界が動き出している。
    そのコミックの世界が凄くビビッドなのです。
    さわりの部分で、
    漫画家の紡ぎだすイメージに合わせて動き出す
    キャラクターの動きにがっつりと取り込まれて・・。
    次第に形をなしていく劇中の物語に、
    まさにコミックの連載を読んでいくようにはまっていく。

    ほんと、この劇中コミックの出来が抜群で。
    展開が
    それだけでご飯がお代わりできるのではないかと思うほど
    おもしろいのです。
    しかも、台詞も、コミックの世界ということででなんでもあり。全然臭くないし、殺陣の迫力も、夢や恋と言ったこっぱずかしいことも
    コミックの代紋を付けているだけで、あるがままに観る側に伝わってくる。

    観る側がコミックの世界に飼いならされてしまっているから
    彼らがコミックの作り手側の世界に浸食してきても、
    舞台に違和感を感じない・・。
    それどころか、コミック側のロジックでないと
    見えないような考え方が
    現実の色をすっと染めていく。

    やがて、同人誌コミックの物語は終息し、
    一番外側の現実が明かされ、
    さまざまな伏線から
    二人の女性の人生の一歩が浮かび上がってきます。
    コミックの世界の葛藤がしっかりと伝わっているから、
    自分のやりたいことを見つけた
    そのひとときの重さが、観る側にしっかりと伝わって。

    ちょいとうるっときてしまいました。

    満足度の星は、作り手の更なる伸びしろに対応するために、一つ減らしました・・・。でも5つ星に片手のかかった4つ星ということで。




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    2010/01/11 13:32

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