テノヒラサイズの人生大車輪2022 公演情報 BALBOLABO「テノヒラサイズの人生大車輪2022」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     明日、23日が楽日だが12時、16時開演の回に若干空きがあるとのこと。今回役者陣は、関東の役者さんだが練られた脚本に優れた演出がグー。観るベシ! 若干レビューを書いておく。これから食事を取るので追記はその後。追記が遅くなって申し訳ない。追記完了10.23 11時13分。

    ネタバレBOX

     板上はフラット。パイプ椅子7脚が背凭れを後ろに横に並べられている。実はこれらのパイプ椅子、実に色々な物に変化するのだが、是が実に上手い。例えば車、例えばジェットコースター、或は山。果てはダクトらしき通路等々と。そこはその組み合わせ方の上手さや、音響、照明そして役者陣の演技と観客の想像力が絡み合って、見事に様々な物に変じる。
     舞台が明転すると7脚の椅子に縛り付けられ、猿轡をされた7名の男女が現れる。誰もここが何処で何故こんな目に遭っているのか分からない模様だ。偶々1人が舌を用いて猿轡を外すことに成功した。彼はその方法を皆に説明しもう1人今度は女性が猿轡を外すことに成功。対話を始めるが、此処が何処で誰が何の為に7人をこんな目に遭わせたのかは皆目分からない。それどころか五里霧中で何時から此処に居るのかもハッキリしない。睡眠薬でも飲まされてこの状態にされたのかも知れない。何れにせよ気付いてから1時間程という感覚しかない。と、今度は後ろ手に縛られていたことから脱した男が1人、皆解放してくれとばかりに彼の周りに蝟集した結果、椅子脱却に成功した男は不信感を募らせてしまった。何も分からない状況では7人の中に犯人が居る可能性も否定できない。それで彼が怪しいと睨んだ者は縛めを解かれなかった。だが、何時迄も五里霧中という訳にはゆかない。そこでここに囚われた個々人全員が囚われることになった原因があると思えることや、思いつく訳を互いに話し、共通項等があれば、それをヒントに謎を解き、犯行動機や犯人を捜す縁にしようと考えた。
     このようにして7つの挿話が開陳される。それは各挿話が各々一話として構成されたオムニバス形式の演劇の如し、である。この辺りの脚本センスが抜群。因みに作・演出はオカモト國ヒコさん。普段は関西で活躍なさっている演劇人だが、嬉しい事に、時々こうして関東でも公演して下さる。Covid-19の影響で様々な困難があり、今後も楽観できないことは、ちょっとこのウィルスの特性を科学的に観れば直ぐ分かること。結論としては、ウィルスがRNAしか持たないから突然変異を起こし易く変異株がこれだけ多いのもそれが原因と考えて良かろう、ということだ。当然、ワクチンが総ての変異株に有効とは言い切れない可能性が出て来るから有効性に関して様々なことが言われて来た訳だ。不安を煽るつもりは更々無いが、科学的知見に基づかなければ頓珍漢な対応が増すだけだ。何れにせよ、こんなことを書いたのは現在日本で暮らす我々同様、登場人物達は1人の例外も無く自分を完全だとか、エリートなどとは考えないちょっと心や魂に傷を持つ普通の人々であり、アホな政治(即ち自らが不完全なことに遠慮して自分で感じたり、自分が不合理の犠牲になっているのに遠慮して抗議できない人々が結局支えているとしか見做されない)を構成し、その結果招請してしまったディストピアに対して蟷螂之斧しか揮うことのできない姿を炙り出して見せる。ひとまず、この登場人物達がどのような人々であるかを明かしておこう。個々人が先の要請に従って話した内容から、端的にその人となりを説明しよう。順不同で列挙する。1:別れさせ屋 2:アルコール依存症: 3:刑事 4:企業の内部告発者 5:役者 6:車輪占い師 7:ヤクザ(但し下っ端)の7名だ。この7名の各々の話が総て伏線を形成し、終盤で回収される訳だが、この手法が実に鮮やか、移行も自然である。而も純愛の泣かせるシーンに収束してゆくのみならず、最後はこの伏線によって普通の7人が総てディストピアからユートピアへ行けるのではないか、との夢を抱かせる。

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    2022/10/22 23:37

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  • 皆さま
    ハンダラです。追記完了しました。時間の開く時に
    ご笑覧下さい。
                      机下
                   

    2022/10/23 11:15

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