実演鑑賞
満足度★★★★★
実は東京公演で見る予定だったのですが、コロナで中止になったので大阪まで弾丸で見にいってきました。
王子小劇場で見たものとの違いは高さの違いかなと思います。王子小劇場が教室だとするなら、大阪での劇場は体育館に近しいものがありました。舞台が広くなった分、演者との距離も広くなりましたが、ただ懸命に生きる若者たちの一瞬をガラスの向こう側から覗いているような感覚になります。また天井が高いせいか、セットに映し出される映像もより大きく見えました。
演技も東京〜大阪の間がしばらく空いていたこともあり、またより違うものに変わっていました。戯曲やキャストは同じであるのに、まるで見え方が違っている。そのことに対して一切の違和感を感じないのは、この脚本の可能性のなすところではないかなと思います。
東京と大きく変わったと感じたのは照明です。王子は距離が近いゆえか、暗転しても人の気配を感じていましたが、大阪では照明が当たっていない部分と当たっている部分の差があり、明かりを残すというのはそこを見せたいのだなと感じることができました。
最後に近づくにつれ、客席から聞こえる嗚咽の音にこの物語が響く人がこんなにも多くいるのだなと少しだけ嬉しくなりました。観客からの大きな愛と、出演者からの大きな愛、また脚本演出を含めたスタッフからの愛。私たちを指して、皆が家族だと言ってくれたこと、本当に嬉しく思いました。
2023年の夏に期待を込めて、この残暑と、秋冬、それから春を過ごそうと思います。大阪公演お疲れ様でした。