観るお化け屋敷「カーテン」 公演情報 下北沢企画「観るお化け屋敷「カーテン」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     観客は入場手続きを終えるとスズナリの裏導線を懐中電灯を持って進む。(追記2022.8.21 03:52)

    ネタバレBOX

    途中にはお化け屋敷のような仕掛けが方々に在り中々楽しい。子供の頃を思い出だしながらそろりと参るが良かろう。子供に戻れればこちらから悪戯を仕掛けている所だろうが、時間は不可逆的故そうもゆかないのは残念である。随所にスタッフが立っていて頭をぶつけやすい注意すべき場所、足下の悪い場所などを注意してくれる。初めてスズナリの裏導線を歩いたが、役者さんはこんなに狭い通路を通って舞台に上がってくるのか! と思うとつくづく大変だな、と思う。
     さて漸く板に辿り着くと、右手が観客席である。
     板上はホリゾントに向かって左右に開く白いカーテンが四重に設えられている。無論各カーテンの前後には空間があり、カーテンの開け閉めを通して様々なシーンが演じられる。主たる舞台装置はこれらのカーテンであるが、場転に応じて適宜机と椅子、電話台と電話器等が置かれる。また、シーンによっては出捌けに客席側通路も用いられる。他、用いられないが家具が若干、舞台手前のカーテンの客席側の観劇の邪魔にならない場所に置かれている。
     オープニングでは、タキシードに八の字髭、マジシャンのような出立の男が、遅れて入場した客(無論、出演者)を誰何する。通常の誰何はいつの間にか、大した理由も無く遅れて入場したことへの断罪となり、この劇場・スズナリの縁起と絡めて40年前に起こった惨劇に通じるようなお仕置きを与えるシーンに至り、今作の本筋へと通じる。40年前に起こった事件とは、204号室の住人であった、陰気な林という人物が、隣室203号室に地方から越してきた若い娘、森を惨殺するに至った陰惨な殺人事件のことである。そして今、林の迷える魂は、この劇場に舞い戻り、不可思議な現象を惹起していた。この霊気に引き寄せられたか、元205号室に住んだ界隈では知られた霊能力の持ち主・佐々木が、迷える霊に引導を渡す為独鈷杵を持って現れると、矢張り霊能力の高いレイコが写真やムービーを撮るとその7割以上に霊等、不可解な者が映り込むという双子の撮影者を伴って現れる。40年前の惨劇に至る過程、惨劇の現場、その後日譚が描かれるが、佐々木・レイコグループは何とか林の霊は退けることができたものの、林に残忍な死を与えられた森は当時妊娠しており、胎児と共に旅立っていた。そしてその胎児の父が事件の際、つれない対応をしたことを恨んでいた。然り、森の霊は復讐を果たす為、今この場に参上したのである。森の持つ怨念のエネルギーは凄まじく、到底林の怨念の及ぶ所では無かった。森は宙に浮き上がる程の能力も備え、遅れて来た観客の体を操って復讐を果たす。
     幾つものシーンでマジックが用いられ、音響や照明も効果的に用いられ楽しむことができる。ところで、ラストシーンは、ファーストシーンと瓜二つ。即ちこの惨劇はエンドレスに続く、ことを示唆して幕。ここで問題。胎児の父は誰でしょう?

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    2022/08/20 05:18

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  • 皆さま
    追記しておきました。ご笑覧下さい。
                ハンダラ 拝

    2022/08/21 03:56

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