満足度★★★★
幻想的。
セットが非常にシンプル。
舞台の真ん中に和紙に覆われた台をドーンと置き、その台の周りを囲むように照明が。そこで役者さんたちが演じられていました。
そして場面転換ですが、よくある暗転ではなく、照明の明るさや点ける場所で場面転換を表していて、新鮮でした。
そういうのに慣れていないのもあったので、最初の方は場面転換されたことが分からず、今いつの時代なのかというのと、それに加え1人2、3役演じるものですから、今この人は誰なんだろう?と追っ付かないとこもありました。
シンプルなセットに加え、音も曲があるものではなく、虫の鳴き声とかそういう効果音的なもので演出していて、それがまた幻想的な雰囲気を引き立てていましたね。
原作は長篇小説なので、これをどうまとめてくるのだろうということも個人的には見所の一つでした。
原作の方のメインはどちらかというと「先生」の学生時代でしたが、この作品は「私」の現在の話をメインとして話が進んで行きました。
ラストは3つの時代を同時進行して、それぞれの衝撃を一気に放出した感じを受けました。
なので、見てるこっちも登場人物のショックが伝わるような流れでした。
作品の世界観にすっかり入り込んでしまった、素晴らしい作品でした。
今後の公演も期待しています。