たぐる 公演情報 ここ風「たぐる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     中盤迄軽めに推移してゆく舞台の雰囲気は、世界中が右往左往してでもいるかのような昨今の情勢で日本人ばかりは相変わらず極楽蜻蛉のような風を装い、その実、内部に有象無象を貯め込み爆発寸前の有様を描いているようで興味深い。後半の展開は、劇団の特徴を示しおとなし目だがちゃんとシリアスも組み込んでくる演出がグー。(追記6.25 20 時)

    ネタバレBOX

     出捌けは下手手前に1カ所、上手中程に1、手前に1の都合3カ所。下手ホリゾントの壁には葉が茂りその手前に可成り大きなテント。その直ぐ上手に下段は単に階段とし上段には中央にテーブル、周囲に金属製の椅子数脚を置き夏のホテルの一角のような雰囲気を醸し出している。その上手壁際にキッチン等建物に通じる出捌け、これらの客席側が板部分である。
     物語は中盤まで軽めのタッチで展開する。現在この屋敷に暮らすのは元かなり腕の良い医師だった一花。間もなく40歳になる。テントの住人は前日此処にテントを張ったフリーランスのライター・瀬能で旅に関するエッセイや御当地のおいしい料理、レストランなどの紹介記事を書いている。ここにテントを張ったのは去年この家の主と知り合って意気投合し、いつでも来て到着が遅かったら勝手に庭にテントを張って良いと言われていたからだ。ところがそう言ってくれた家主は既に亡くなり今住んで居るのは彼の娘にあたる面識のない一花、そこで「怪しい人が居る」と一花から電話を受けた役場の翼がやって来て、丁度魚を突きにゆこうと銛を出した所を一花に見咎められ、煮炊きの為に組んだ竈石を撤去していた瀬能と一騒動が起きた。そこへ一花の親友である明日美、その息子・純、一花に命を救われた鶴がやって来た。久しぶりに集った人々の間に巻き起こる恋の鞘当て、軽い嫉妬やフラレた失望等々が軽いタッチで展開して行き、更に浜辺で評判のレストランから記憶喪失症の店員・ジョニーがデリバリーにやってくる。が、外国人で記憶喪失というジョニーの日本語は、ハチャメチャ。理解し得ぬような変ちくりんな代物。それでも人が集まれば何だかんだと噂話や思い出話が出る。そのようにしてさまざまな伏線が敷かれてゆく。
     他に浜辺のレストランのシェフ・島の得意料理はスクランブルエッグ、洋食のコックの腕前はこの料理の味で決まると言われるほど本当においしいスクランブルエッグを作るのは難しいといわれるが、この話題で彼が腕の良いコックであることが明かされる、因みにジョニーの作るカレーが絶品で常連の間ではジョニーカレーの人気が勝っており、2人のコックとしてのライバル意識も見もの。更にジョニーの記憶喪失事情についての詳細も挿入エピソードで明らかに。また、10日程前からサーファーパンツ姿の若くハンサムな九右ェ門という男がこの家に居ついている。彼はいつもサーファーパンツのみの姿で登場し料理が上手く性格も良いので女性、特に明日美には大人気である。そんなシングルマザーの母の恋愛モードに対する息子・純の反応が面白い。だが母の恋する九右ェ門、彼は何かを探していて時々ふいに居なくなる。また一花と彼女の父の誕生日は同じ日で、父と母が別れた理由、一花は父からは愛されていなかったのではないかとの疑念を持つが、父が存命中、心を許した人々とだけ一花の誕生日プレゼントを集めていたことが知らされる。最終盤、総てが収斂される中でで、父の一花への念、死因、九右ェ門の正体なども明らかになって幕。

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    2022/06/25 02:45

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  • みなさま
     遅くなりましたが追記しておきました。
    ご笑覧下さい。
                 ハンダラ 拝

    2022/06/25 20:05

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