極めて美しいお世辞 公演情報 箱庭円舞曲「極めて美しいお世辞」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    力強い会話
    ようやく見る事ができました。
    初箱庭演舞曲。

    前半はキャラ設定や状況設定を紹介するのに費やす時間が長いかなあと思いましたが、中盤あたりから会話の濃厚さに目が離せませんでした。

    130分と長いけど全く気にならずあっという間に過ぎた充実の観劇でした。

    ネタバレBOX

    中盤の失踪した店長が戻ってきてからのあたりから会話の濃厚さが際立ってました。

    それぞれ自分の信じる価値観に基づいて行動するヘアカットの職人たち。

    キャラが立っていて見やすいし、情熱を持って語るから感情移入してしまうし、台本もそれを具現化している役者さんたちも素晴らしかったです。
    正直なところ台本はもう少しスマートにする事はできたと思うけど。

    傾いている店の経営を立て直すため、店長は自分で調査したデータから「クーポン配り」と「スパ導入」に取組みます。
    代表はあくまで技術とセンスにこだわり、安売りが店のブランドを落とすと反発します。

    代表は技術もないのに会話と甘いマスクだけで客の氏名を取る若手から客を全て奪ってレベルの高いカットを行うけど、客は若い男性との会話を楽しみにしていたため微妙な表情を見せる事に落胆して「美しくない」と言います。

    とても自然な会話が進む中で「美しくない」とつぶやくのがすごく不自然なのだけど、価値観の違いや技術だけが全てではないというこの作品のテーマを一言で表している、うまい言葉だと思いました。

    最後の総代表と代表の、経営か技術かでの熱いやりとりは素晴らしかったです。
    ラスト、総代表の奥さんがそれまで失敗していたけん玉を最後の最後、照明が落ちる間際に成功!
    あれこそ「美しい」一瞬だったと思います。

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    2009/09/21 12:53

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