お薦め演劇・ミュージカルのクチコミは、CoRich舞台芸術!
Toggle navigation
地域選択
ログイン
会員登録
全国
北海道
東北
関東
甲信越
北陸
東海
近畿
中国
四国
九州
沖縄
海外
管理メニュー
団体WEBサイト管理
顧客管理
バナー広告お申込み
バナー広告お申込み
Toggle navigation
menu
公演検索
HOME
公演
検索
ランキング
チケプレ
掲示板
Myページ
団体・公演・劇場登録
団体WEBサイト管理
チケット管理システム
CoRichチケット!
チケット管理システム
CoRichチケット!顧客管理
HOME
公演
9人の迷える沖縄人
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
劇艶おとな団「
9人の迷える沖縄人
」の観てきた!クチコミとコメント
前のページに戻る
關智子(28)
実演鑑賞
満足度
★★★★
沖縄を描いた歴史的古典作品になるべき秀作である。
ネタバレBOX
作品単体ではなくその周囲の環境も観劇体験に含むとすれば、本作は他にないベストな状態で観劇できたと言えるだろう。那覇文化芸術劇場なはーとが、沖縄の本土復帰50周年に合わせて企画した「沖縄・復帰50年現代演劇集inなはーと」の一部であり、会場前に立てられたパネルには各劇団および作品のテーマとなる出来事の背景説明が書かれていた。これにより、不勉強にして沖縄についての知識をほぼ持ち合わせていなかった關のような観客でも、作品が取り上げる問題を事前に手軽に学習できる機会となっていた。
作品自体も予想を上回って優れたものであった。単純な社会派ドラマにせず、劇中劇の構造にストーリーを組み込むことにより、沖縄の抱える問題の複層性を明示していた。それぞれ立場の異なる群像劇ではあるが、個人の問題として散逸化するのではなく、あくまで沖縄であるがゆえに抱える「迷い」に焦点を当てられていたことも高評価に繋がった。登場人物はややステレオタイプに依っていたものの、宇座仁一氏をはじめ粒揃いの魅力的な俳優たちがストーリーを膨らましている。東京から来た身として、<うちなーぐち>でのやりとりが聞け、(簡略的なものであったとしても)組踊の一部が見られたのも楽しい経験だった。
せっかく劇中劇であるのに劇的現実と劇中劇との差があまりないことや、効果が不明の演出(作品の最初と最後にあった謎の照明転換や宙に浮いた窓枠の存在)などが散見され、また作品全体を通じてどうしても「勉強会」感が拭えない印象もあった。しかし、俳優たちが描く、もがきながら迷い続ける沖縄の人々の様は胸を打ったし、歴史的な出来事をフィクション作品のテーマとする際の姿勢が非常に誠実であると感じられた。
聞いたところ、俳優たちは一般企業の社員や公務員として就職しながらプロフェッショナルな俳優としても活動しているらしい。働きながら俳優業を行える環境は、継続的創作の基盤となるため、学ぶべきところが多い理想的なものだろう。そのような環境を整えられていることも評価に含まれた。
「沖縄」であることがあまりに強固に出た観劇体験だったため、作品単体と環境を切り分けることは困難だった。そもそも周囲の環境と上演はいかに関係し、また分けられるだろうか。他方で、演劇が現実に対して掲げる鏡であるとするならば、本作は間違いなくその姿を明確に打ち出しており、その点において高く評価できるだろう。今後も定期的に上演を重ねていって欲しい作品である。
0
2022/06/16 11:12
0
0
前のページに戻る
バナー広告お申込み
このページのQRコードです。
拡大
×
このページのQRコード