ひび割れの鼓動-hidden world code- 公演情報 OrganWorks「ひび割れの鼓動-hidden world code-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ダンスと演劇を同地平に併置することでその化学反応を見た実験的作品である。

    ネタバレBOX

     ダンサーはダンサー、俳優は俳優として舞台上におり、それぞれの身体がダンス的空間、演劇的空間を担保していたので、両者が交錯した瞬間の舞台上の異質化が体感できて面白かった。アフタートークでも語られていたように、その際観客の目線は演劇とダンスの間で行き来する。舞台上のダンサーあるいは俳優の身体を見ることで、観客の身体にも変化が起こるのが体験として新しかった。何より、出演者の技術が圧倒的に優れていた。川合ロン、平原慎太郎を筆頭にダンサーたちの能力は言うまでもなく、佐藤真弓、薬丸翔もダンサーたちの身体と拮抗する空間を築けていた。この、やや歪でありながら調和を見せた空間は、美しい美術と照明、衣装と音響によって構築されており、スタッフワークの完成度が高かったと評価できる。
     他方で、ダンスと演劇の間を行き来する試みは既に歴史上にあり、この作品の独自性が見いだせたかは今ひとつだった。コロスを描くというテーマと、本作の実験的手法の有機的な結びつきが見えれば、それはダンスあるいは演劇を更新し得るのではないかという予感がした。

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    2022/06/16 02:53

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