パスキュア 公演情報 GROUP THEATRE「パスキュア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     観るベシ。生きる力、勇気を貰える。脚本が良い、演出、演技が良い。照明もグー。更にテナーサックスの生演奏が随所に入る。尚‟観て来た”の内容は上演中なのでセーブした。華5つ☆

    ネタバレBOX

     当パンの最後のページに9年前に旅公演先で急逝なさったグループの恩師・塩屋俊氏が常日頃語っていらした言葉と死因、そして頌辞が添えられている。良い師匠だったのだな、としみじみ思わせる内容だが、今作その師にしてこの弟子たち在りと信じさせる作品である。
     板上、基本的には素である。可動式の墓や病院で用いるベッドやベッドを跨ぐ書見台、サイドテーブルや点滴器具等が必要に応じて配される。ちょっと変わった幕開きなのは、物語は墓地で始まることだ。このオープニングでもそうだが、適宜テナーサックスの生演奏が入る。曲はジャズ風の中々洒落た曲なのでこちらもお勧め。客席は舞台をコの字状に挟み込むように設えられている。唯一客席の無い、つまり劇場出入り口側が出捌けに用いられている。
     さて肝心の物語だが墓場から始まることで或る程度、話の内容は限られてくる。病院の相部屋、患者は亡くなる者も多いところから末期、重症者が多いことが分かる。病床は4床。男性部屋である。が、この部屋で筋トレをし続けている患者のファン女性が居り、良く訪ねてくる。彼女は未だ若いが癌を患い、先ずは乳房を切除することを薦められている。然し乳房を失うことは彼女にとって大問題で切除を受け入れるか否か、放射線治療を受け入れるか否か、できれば受け入れず何とか生き延びたい。そんな念を抱えて決断できぬまま入院している。筋トレ青年はアグレッシブな生き方をしており、同室の石材店社長とは意見が合わない。というのも社長は企業の業績不振からか肝硬変であるにも関わらず、アルコール摂取を止めないばかりか、何とか借金を清算する為に墓の手配に余念がなく病室内にも拘わらず大声で露骨な利害関係の電話をしまくるからだ。而も間近に火災現場で子供が焼け死ぬ所を燃え盛る炎の中に飛び込み見事助け出したものの自らは大火傷を負い、最早口も利けず、呼吸器を付けなければ呼吸もできずurineも器具を取り付けて採ってもらっている状態の消防士のベッド。そのような重傷者迄商売のタネにしようと目論むからである。こんな訳で2人は年中口論が絶えない。然るに新入り患者が入ってきた。利き腕の右手を複雑骨折しており約1週間後に控えた医学部受験に間に合わない。ところで、問い質してみれば受験の重圧から悪夢に襲われ自ら複雑骨折したことが判明、その症状は入院後にも表れた。治療した右腕を夜中にベッドに打ち付けたのだ。部屋の仲間たちは黙っていなかった。

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    2022/06/02 14:47

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