歌劇『天守物語』 公演情報 呼華歌劇団KOHANA「歌劇『天守物語』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     歌劇とされているだけあって富姫・亀姫らの歌は聴き応えあり。エンタメ要素が可成り強くはあるので、その点をどう評価するかで評価が異なってこよう。自分は、主筋の本質を骨太にキッチリ描いている点を高く評価した。

    ネタバレBOX

     板上は白鷺城天守。登場するは、異界の住人であり実質的な天守閣主・富姫にその力の源泉である異界の虎、奥女中六名、女の童五名。他富姫の妹分・猪苗代湖から五百三十里を飛翔し鞠突きにやってきた亀姫に従者・不老不死のお婆、風神・雷神等々。
     人間の側は、鷹匠・姫川図書之助、その主君・武田播磨守に図書之助の親友、平和になった世にあって武術ではなく芸能や耽美趣味、人々の熱狂によってのし上ろうと企む若侍集団等。
     板上舞台美術は客席に最も近い板上から変則台形を模した平台の奥に更に通常の平台を設けて踊り場としそのセンターに階段、階段を上った所が天守閣、左右に朱色の欄干、天守奥及び下手、上手に出捌け。低い方の踊り場上・下にも出捌け。花道が上手に設えられ、天守閣欄干のホリゾントには出捌けスペースを除き天井から白い布の垂れ幕、上部半分は血しぶきの如き紅い斑文様。欄干の上には藤棚のように重厚な花房が垂れ下がる。また、低い方の平台に沿って照明用の電飾が設けられ様々な色で発光して実に効果的である。主筋の富姫と図書之助、サブの奥女中と三郎の恋が見事に対比されつつ、協調して叶わぬ純愛の異様なまでに切なく純な恋を描いて見事である。
     約140分、休憩無しの長丁場だが、撮影タイムが挿入されたり、イケメンアイドルグループの歌や踊り、富姫・亀姫を中心にした歌と踊り、奥女中らの舞と歌、女の童たちの何とも愛くるしい演技に童謡に振り付け。華麗な衣装に煌びやかな小道具等々エンタメ要素満載だが、宝物や利害の為に心ある人々の真心を利用し己の利益追求のみに走る人間の醜さと、将軍家に献上の決まっていた白鷹が富姫の力によって解放され自由を謳歌しつつ異界の者達及び人として真を貫く図書之助に与する姿、異界の住人達の真実の為に命を賭ける純粋性がキチンと骨太に描かれている点も心を撃つ。更に主たる登場人物たちが入り乱れて相討つ殺陣も見事である。劇そのものの終焉後に華麗なオマケを観ることができるのもこの劇団のサービス精神の現れだ。著名な漫画やアニメ化された時の主題歌を替え歌にしてあったり、「とうりゃんせ」の替え歌が実に効果的に用いられている点も称賛すべきだろう。また受付、案内を担当してくれる制作担当の方々も的確で遅滞ない動きでサポートしてくれる。

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    2022/05/19 10:18

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