リチャード・イーター 公演情報 劇団銀石「リチャード・イーター」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    力作に挑んだのが見事、将来性を感じさせます
    初見の劇団です。「銀石メソッド」に興味がありましたが、
    中央に切り穴式の階段を設け、周囲に円を描くように配した
    階段をうまく使った演出で、身障者の行進など、
    オープニングから惹きつけられました。
    「リチャード三世」は登場人物が多く、人物相関も複雑なので、
    映画、舞台で何度か観てはいるものの、難解な印象があります。
    主人公を2つの人格に分けたことなど大胆な脚本解釈、視覚的な面白さ
    もあいまって、じゅうぶん楽しめました。
    これを大劇場でミュージカル化しても魅力的ではと思いました。
    作・演出の佐野木氏はまだ若く、将来性を感じさせる。
    今後も注目したい劇団です。

    ネタバレBOX

    2面性を持つリチャードを2つの人格に分けたものの、
    単純に善悪に分けなかった点は工夫が見られる半面、
    ちょっと中途半端になったことも否めません。
    衣裳とメークが白と黒であると、視覚的にはどうしても善悪でとらえてしまい
    がちですから。
    リチャードの貴族的な白のコスチュームに対し、イーターの衣裳が黒の前衛的ヨージ・ヤマモト風だが、黒のほうがラフすぎて何となく手抜きに見えてしまった。
    PPTによれば、衣裳につけた花は奇形をも表しているそうですが、浅利ねこの衣裳はヒッピーを現代的に表現した90年代初頭のキャサリン・ハムネットのロンドン・ファッションをも思わせる。
    花-平和、快楽、鉛-戦争、業を象徴し、全体のテーマの対比にも思えた。
    花をつけている登場人物たちのユーモラスな演技は“道化”にも通じ、
    難解なストーリーをわかりやすくする効果もあった。
    細かい点では、短い衣裳にタイツをはいていない少年役(リヴァーズ?)は
    女優が演じているだけに生々しく、気になった。タイツははいてほしい。

    公演の前半「寒い」と書いた人が多く、空調の利きすぎに配慮したのか、私が観た日は冷房がきかず、蒸し風呂のような暑さで、2時間20分は集中しづらかった。
    前半では2時間30分と記している人が多いので、公演の後半には10分短縮したのでしょうか。いずれにせよ、2時間以内に収める努力もしてほしかった。
    この点を減点して星4つ。
    しかしながら、佐野木氏は観客にどう見えるかということも配慮して書いている人のようなので、その点は自己満足だけで押していない分、好感が持てました。
    俳優の演技が荒削りなのは若さゆえいたしかたないかと思います。
    観劇料金設定も妥当な線。
    最後に、制作の清水さま、観劇当日までメールできめ細かな対応をして
    いただき、ありがとうございました。

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    2009/08/17 22:03

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