花柄八景 公演情報 Mrs.fictions「花柄八景」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/05/15 (日) 13:00

    キャラの立った登場人物が生き生きとそこに居て素晴らしい。クセが強い役はテンションを保つことが難しいが、本当に隙の無いなりきりぶりで、あり得ない展開に強い説得力を持つ。初めての作品、初めての劇団にがつんとやられてマジ幸せ!

    ネタバレBOX

    20XX年、噺家花柄花壇師匠(岡野康弘)は、世間の注目を集める
    「AIとの落語対決」に敗れ、落語界から総スカンを食っている。
    AI噺家は”名人と呼ばれる噺家を再現”して大変な人気を博し、人間の噺家は絶滅寸前。
    花壇師匠の弟子、プラン太(ぐんぴぃ)も、
    期待に応えられなかった師匠に失望して去って行った。

    荒れ果てた師匠の家は”心霊スポット”となり、そこへやって来たのがパンクロッカー
    鉢(今村圭佑)と苗(永田佑衣)のカップル。
    花壇師匠が橋の下で拾ってきた燐(前田悠雅)、
    出て行ったプラン太も出入りするようになって、
    一度は廃墟のようになった師匠の家は、不思議なにぎやかさを取り戻す。

    そしてついにその日がやって来る・・・。

    パンクバンドの鉢とその彼女苗が最高!何てキャラを作ってくれたんだ!
    演劇には時折出て来るキャラだが、こんなに隙のないパンク野郎見たことない。
    ライブの途中で語る「パンク芝浜」が最高に楽しい!
    苗の“育ちの良さ”がチラ漏れしてしまうあたり、
    「芝浜とか?」「冷蔵庫にポカリ作ってあるから」とかが絶妙。

    何気に花壇師匠を支える不思議ちゃん燐、難しい役どころだが素晴らしかった。
    師匠最期の夜にかけた言葉「要らないよ」「おやすみ」という
    たったふたつの台詞が、彼女の存在意義を表し、芝居の要となる凄さ。
    AIの対極を張るこのキャラが、伝統芸能継承の活路を見いだすヒントを感じさせる。

    AIに敗れた師匠を見限って一度は落語から離れたプラン太も
    落語への愛を失うことは無く、今や真打になった燐ちゃんから稽古をつけてもらう。

    花壇師匠の言う「地獄には匂いが無いが、この世は甘い匂いがする」という言葉通り
    師匠の家は燐が摘んでくる季節外れの花で、ほのかな甘い匂いに満ちている。
    無くても生きていけるがあると幸せになる・・・
    この甘い匂いって「芸術」のことじゃないか。
    師匠は最後、幸せな甘い匂いに包まれて今度こそ往生する。

    コロナで消毒しすぎて、いい匂いから遠ざかっていた私の生活が
    笑いと幸せな匂いに包まれた80分。
    Mrs.Fictions、次も絶対観たい劇団になった。


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    2022/05/16 01:02

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