箱を持っている 公演情報 劇団あおきりみかん「箱を持っている」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    果たして本当の自分とは
    それぞれの人格・個性をあらわす「箱」。
    誰もが「箱」を持っているらしいが、誰もが「箱」が見えるわけではないらしい。
    また、「箱」が見える人間は、自分と同じ「箱」を探して、その箱をつぶすと、「箱」が見えない生活に戻れるという。

    『もしあなたは「箱」が見えたときに、その「箱」をどう扱いますか?』
    と脚本家は問いかけてくる。

    「箱」の存在に気づいた人間はいやでも、自分自身と向かい合わざるを得ない。
    自分と同じ「箱」を持ったもう一人の自分は、自分の分身、つまり、鏡なのである。
    その鏡を通じて、自分が感じている自分と、他人が感じている自分は、必ずしも一致しないことに気づかされる。
    「箱」は決して、故意につぶそうとしてつぶせるものではなく、もう一人の自分と向かい合うことで、自分自身を受け入れ、かつ、もうその「箱」を必要としないことではじめて、「箱」は自然に消滅するのである。

    果たして、自分は同じシチュエーションに置かれたときに、どのように、対応するだろうか???
    と考えさせられた。

    役者が開演から終演までずっと舞台の四方に、箱を積み上げるという演出も新鮮であった。

    特異なシチュエーションションを使いながら、「自分の内面をみつめる機会を提供する」というオーソドックスな主題を扱う脚本家の力量に、感嘆させられた。

    作風が独特なため、誰もが楽しめるとは言いがたいが、私には楽しめる舞台であった。

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    2009/07/11 22:13

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