箱を持っている 公演情報 箱を持っている」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    果たして本当の自分とは
    それぞれの人格・個性をあらわす「箱」。
    誰もが「箱」を持っているらしいが、誰もが「箱」が見えるわけではないらしい。
    また、「箱」が見える人間は、自分と同じ「箱」を探して、その箱をつぶすと、「箱」が見えない生活に戻れるという。

    『もしあなたは「箱」が見えたときに、その「箱」をどう扱いますか?』
    と脚本家は問いかけてくる。

    「箱」の存在に気づいた人間はいやでも、自分自身と向かい合わざるを得ない。
    自分と同じ「箱」を持ったもう一人の自分は、自分の分身、つまり、鏡なのである。
    その鏡を通じて、自分が感じている自分と、他人が感じている自分は、必ずしも一致しないことに気づかされる。
    「箱」は決して、故意につぶそうとしてつぶせるものではなく、もう一人の自分と向かい合うことで、自分自身を受け入れ、かつ、もうその「箱」を必要としないことではじめて、「箱」は自然に消滅するのである。

    果たして、自分は同じシチュエーションに置かれたときに、どのように、対応するだろうか???
    と考えさせられた。

    役者が開演から終演までずっと舞台の四方に、箱を積み上げるという演出も新鮮であった。

    特異なシチュエーションションを使いながら、「自分の内面をみつめる機会を提供する」というオーソドックスな主題を扱う脚本家の力量に、感嘆させられた。

    作風が独特なため、誰もが楽しめるとは言いがたいが、私には楽しめる舞台であった。

  • 満足度★★★★

    箱持ってます(きっと・・・)
    色、形、大きさ…
    様々な箱を持った、総勢16名の登場人物

    ネタバレBOX

    その箱は、それぞれの性格であったり、人間性を
    表す物ということかなのか…

    また、その箱は、誰にでも見えているわけではな
    く、自身について、何らかの思い悩みがある者に
    しか見えないようである


    自分と全く同じ色形の“箱”を持った者を探し出
    し、その箱を潰してしまえば、元の、箱が見えな
    い普通の生活に戻れるらしい

    同じ箱を持っている者こそが、自身と同じ穴の狢
    であり、自身の鏡であるのだから


    自身が、果たしてどういう人間なのか
    どうなりたいのか
    どう生きていけばいいのか

    人は自分をどう見ているのか
    人と自分はどう違うのか…


    社会生活に溶け込むため、自身を押し殺し、結果、
    何もかもが見えなくなり苦しんでいるという矛盾

    自身を知り、箱を潰さないと(殻を破らないと)、
    いつまで経っても、先へは進むことはできないの
    かもしれない



    人の心を、裏から、側面から、中から穿り出し、
    コミカルに、皮肉に、鋭く表現している作品だと
    思います


    笑いながら、はっ!と気付く

    「これって、オレのことじゃん」
    と…


    『パレード旋風~』『蒲団生活者』などの流れか
    ら思うに、これが鹿目ならではの表現方法なんで
    しょうね

    数年前のあおきりは知りませんし、今の鹿目の本
    は万人受けするものではないのかもしれませんが、
    ボクにはドンピシャ合ってるようです


    面白かった!!

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