キミガミテタ明日 公演情報 TEAM 6g「キミガミテタ明日」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     板上はかなり込み入った舞台構成になっている。

    ネタバレBOX

    下手手前側壁に短辺を並行にしたL字型の一段高い踊り場が設えられこの踊り場にはバーカウンターと手前の円椅子。この上手に葬儀屋家族の居間。居間の奥にはかなり大きな水屋箪笥が置かれている。白、黒で下手の踊り場付設備や葬儀屋の平台が塗り分けられているのは、無論今作は生死の問題を中心の1つに生計と夢実現の鬩ぎ合いの2つを大きなテーマとした作品であり、丁度楕円の数学的解を求める作業に近い問題を扱っているからである。この住環境は1階部分を為すがホリゾントと1階部分の間には2階が作られており、下手から2階へは観客席に平行に、葬儀屋の居間から2階へは垂直方向に梯子型階段が設えてある。2階部分の出捌けは左右1ヶ所ずつ。1階はバーカウンター奥、葬儀屋の家との間等を区切り、場面転換に応じて出捌け箇所をその場に応じた設定に変更して用いている。方法は吊るす布、ショー等で用いるキラキラしたスパンコール仕立ての垂れ幕等の位置移動、隠す場所の変更で対応。
     その他側壁面、ホリゾント壁面に張られた鉄筋様のパイプが、登場人物各々の綾なす人間関係を表しているようでもあり、後半飛び出してくる保険会社渉外担当者との保険金支払い関係の交渉場面での利害考証関連問答等をも示唆していよう。
     幼少時から思春期に複雑な家庭環境で育った経験を持つ者には、基本的に心に沁み入る物語であり、深い共感を誘うことは間違いない作品であろう。役者陣の演技力の高さも特筆すべきものがあった。
     ただ、多少気になったのは序盤の台詞で聴き取りにくい台詞が若干あったこと(これは自分の年齢のせいかもしれないが)。また昌太の死因が自死なのか事故死なのかを巡っての保険会社渉外担当者と弁護士との論戦では、昌太が小笠原さんに送ったラインの送信時刻から撮影時の時刻は特定でき写真も小笠原さんの証言で特定できる、更に遺体発見箇所と発見時刻、潮流との関係と往時の天気などから送られた写真と撮影場所との関係は相当正確に特定できるハズである。保険会社の利害があるから渉外担当は、自殺としたい訳だし、保険金殺人事件の場合、保険会社が事件性を立証できずに保険金を一旦支払い、その後事件が立証されたケースはいくらでもある。そういったことが弁護士サイドからは問題視されなかった。無論、弁護士サイドがそういうことを言って昌太がひまりの為に残した保険金が支払われてしまえば、今作は不幸な中にも救われる場面がある作品になってしまうので作家はそれを避ける為に姉の発言を入れたのだろうが、自分にはイマイチシックリこない感覚も残った。焦点が2つある楕円だからだろうが。

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    2022/03/05 20:45

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