実演鑑賞
満足度★★★
表題の「彼女」というのは60年安保闘争で亡くなった樺美智子さんのことだが劇中では名前は出されず姿も声もない。そういう手法なのだろうが、他の人が語る彼女のことから彼女の存在が強く浮かび上がるということは私にはなかった。
舞台は安保闘争で学生たちに取材する新聞記者の話とその孫がまた新聞記者になり原発事故被災者の取材をする話との二つからなり交互に展開される。私には無関係な二つの話にしか見えないのだが、政府とその監視の役目を放棄したマスコミが悪いということを言いたいらしい。私が二人の記者について共通点を探せばどちらも取材対象にのめり込んで社会全体が見えていない(あるいはわざと見ないでいる)ということだ。
内容はともかく俳優さんたちの演技は緊迫感があってすばらしかった。