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彼女を笑う人がいても
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クチコミとコメント
公演情報
世田谷パブリックシアター「
彼女を笑う人がいても
」の観てきた!クチコミとコメント
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住み込みの女(533)
実演鑑賞
満足度
★★★★
ネタバレ
ネタバレBOX
『彼女を笑う人がいても』を観劇。
作・瀬戸山美咲 演出・栗山民也
新聞記者・伊知哉は東日本大震災を長期に渡り取材していたが、東京オリンピックの開催を目前に配置転換されてしまう。そんな時に祖父・吾郎が新聞記者だった時の取材ノートを見つけ読み進めていくが、60年代安保闘争の時期だけ何も書かれていなかった。
何故 、空白だったのか?
調べていくうちに当時と今を結ぶマスコミの社会への在り方が見えてくるのであった…。
樺美智子を知っているだろうか?
日米安保条約改定反対運動の際に死んだ女性戦士と言われている。
死因は運動の最中に勢いの余る学生たちに踏み潰され圧迫死と公表されているが、解剖医の検査結果は警官の棍棒の投打になる内臓破裂という証言が出ている。隣にいた学生の目撃証言も得ているが、その学生は存在すらしていなかった。
樺美智子を題材にした演劇は観た限りではつかこうへいの『飛龍伝』だけだが、内容は神林美智子と名を変え、学生運動リーダーと機動隊隊長との三角関係を描きつつも、運動に参戦している現場側から闘争を見据えていたが、今作は新聞記者側から見た闘争の検証に迫っている。
当時も今もそうだが、マスコミの報道の仕方次第でいくらでも世論は動いてしまう。
樺美智子の虚偽の死因を報道したのもマスコミ、学生運動の終止符を打つために七社共同宣言を発表したのもマスコミ、東日本大地震の復興を他所に東京オリンピック開催の話題を提供しつづけたのもマスコミだ。彼等は言葉の弱さを嘆きつつも、暴力無しでは革命は成立しないという結論すら出している。
ただ震災で生き延びた女性が「人は常に正しい行いをしなければならない!」と叫ぶ姿が、樺美智子の生写しに見えてくるクライマックスは救いを導いてくれる。
そして蜷川幸雄やつかこうへいが革命を寓話的に描き、熱くなった観客はそこに向かいたくなるが、決してそれを期待してはいけない。間違いなく言えるのは結は全く一生だったと言う事だ。
当時のヒーローだった樺美智子があれから全く無視されているのは、彼女が共産党員だったからなのだろうか?疑問である。
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2021/12/05 22:05
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