ドント・コールミー・バッドマン 公演情報 24/7lavo「ドント・コールミー・バッドマン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     流石、プロの創るメタ作品。(ネタバレが余り露骨になるのを防ぐ為、追記部分は完成しているが終演後にする)

    ネタバレBOX

     面白い舞台美術である。この小屋の通常の舞台空間は、劇空間入口を零として入って直ぐ左側へ延びる辺をAとし時計回りにB,C,Dとほぼ正方形になりC,Dの向かい側が客席になるが、今回、客席は通常通り。零からAへ向かう途中に昔DJ喫茶等にあったDJの作業スペース即ち金魚鉢のようなスペースが設けられており、其処から右肩上がりに長い平台が置かれている。この平台に平行に、1m程間を開けた場所に丸テーブルと椅子2脚が置かれ更に高くなったスペースが設けられている。この場所の上手下手にはここへ上がる為の階段がそれぞれ設けられており辺Cのホリゾント側には2m程のポールが丁度肩幅程度の距離を保って立っている。
     椅子等が置かれ最も高い場所は主として喫茶店の店内としての機能を果たす。低い平台は校内の廊下、往来や学校の行き帰りの道、屋外等様々な場所を表すが、無論通常舞台として用いられるD辺と低い平台の間に広がるスペースも過去と現在進行している演劇に於ける劇空間としても機能する。
     ここで分かり易くする為に今作の構造を説明しておこう。無論、メタ作品である。第1の設定は作・演出を担った主人公主宰劇団の旗揚げ公演のゲネ直前から初日の開ける所迄を描いた作品という設定だ。第2に主人公が新たな中学に転校してきた後、自己紹介を切っ掛けに苛めにあったこと、その内実と担任教師即ち学校側の対応。第3が長じた後苛めていた中心人物の内実が第三者によって指摘され、その余りの空虚の何たるかに生まれて初めて客観化し己と真正面から向き合った苛めっ子が深く反省、虐められていた者が主催する芝居の初日を観に行く。の3つである。この3つの流れが入れ子細工になって物語が展開してゆくのだが、この展開を異なる時間軸・空間軸と次元に振り分けているのが、今回の舞台美術ということだ。メインストリームは無論、不測の事態や事故などを除き絶対に変えることが出来ない初日の無事開幕である。だがゲネは愚か本来ゲネまでに詰めておくべき、場当たりや演技と演出の詰めすら充分では無いという状況下、果たして開幕できるのか? との緊張感があるから観客は舞台から目を離せない。サブストリームも少し変わった趣向ではあるものの、シアターミラクルが在る新宿らしさも取り込み、随所に笑いも鏤めて飽きさせない。

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    2021/10/15 15:44

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