歌姫・ネバーダイ! in deep 公演情報 ライオン・パーマ「歌姫・ネバーダイ! in deep」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     まんを持しての公演。タイゼツベシミル!! 華5つ☆
     換気休憩5分を挟み2時間半の大作だが約400年に亘るストーリーを幾つかの場所・時代に展開する挿話に分け、丁度それぞれの物語が時の大河に浮かぶ洲で起こる各々の事象を描いたかのように編み込まれており、而も大河の流れは共通しているので全く飽きず無理なく自然に鑑賞できる。また、歌が重きを為す作品なので歌の上手い役者を揃え、音響技術の良さ、脚本の素晴らしさも手伝って実に良い作品に仕上がっている。

    ネタバレBOX


     誰もが知る人魚の肉を喰らえば、人は不老不死を得るという人魚伝説を巧みに織り込むことで、殆ど永生を得た人間の有為転変を実に深く、時に肺腑を抉るような切ない台詞を鏤めながら変奏する。各挿話を幾本もの柱として建て、その柱の立つ深く無限の軸、即ち永遠を生きる不老不死を得た主人公の、或は他の愛しい者達の個々の生死を看取り、同時に遺伝子を継承する個々の人物たちの永生をも綯い交ぜてその死生観自体を重層低音のように響かせながら、相互を絡ませ或は輻輳させることで実に微妙でコレスポンダンスに富む奥行きと普遍性を実現させてみせた。各挿話のテーマは多岐に亘り、全体を通してヒトの生き死に、ヒトとは何か? 等々普遍的な問題に切り込んでくるが、極めて示唆的な点は、如何にも喜劇劇団らしく本物の悪人は登場しないことである。その代り非人間的な行為を実践する主体として公権力を操る人間共の非情を描いている点が喜劇劇団としてのアイロニカルな切れを見せている。他の登場人物達は、官権からは悪と見做され犯罪者として処罰の対象にされようと、人としての約束を守りその為に死をも甘んじて受け、気恥ずかしさや生き方の美学を持ち精一杯生きている。即ち倫理的・人間的に生きているのに対し、官憲の非人間性は我々が日常的に体験する如く、「法」や「正義」の名に於いて非人間的な事を実践し続けている。然し、これこそが真の悪に最も近いという事実は自認することが出来ないことを提示していることが鋭い批評意識を為していると観た。

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    2021/09/09 14:54

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  • 関さま、皆さま
     少し、書き直してアップしました。ご笑覧下さい。
                    ハンダラ 拝

    2021/09/09 16:41

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