アン 公演情報 やみ・あがりシアター「アン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     やみ・あがりシアター実験公演。今後続いてゆくであろうオーダーメイドシリーズの第1弾。

    ネタバレBOX

    このシリーズのコンセプトは作・演の笠浦 静花さんが、役者のオーダーに全力で応える形で脚本と演出を担い、役者はやりたいことを纏め原案をオーダー書面にして提出、適宜相談をしながら作品を創造する。尺は1時間程、独り芝居とする。この他、ユニークな約束事が幾つかあるが、それは観てのお楽しみだ。
     ところで、タイトルはこの作品の実質的主人公ではない。彼女の身籠った妊娠初期の胎児を彼女のシックスセンスが感じた女の子と想定して付けられている名である。実にユニークではないか! 名付けは、見ようによってアモルフな或いは存在しているか否かが定かでないもの・ことに或る概念を与え認識への梯子を掛けるような行為であるから、空虚や不定形と実在そのものへのアプローチにも通じる。物語は学生時代授業中に居眠りをしていた罰に科学教室の掃除を命じられた主人公(20歳・女性)が好意から手伝ってくれたクラスメイトの頭髪の薄い男性に、誤って実験室に残っていた様々な液体を混ぜたものを振り掛けてしまったことが発端だ。地獄のような悪臭を放っていたこの液体は、直ぐ拭われ彼女はハンバーガー、ナゲット付を御馳走することで許して貰ったが、翌日件の男の子は、ふさふさの髪を靡かせて登校した。彼女は起業し大金持ちになり10年後の生活は島を買って優雅そのものの生活だった。ところが、良い事ばかりは続かない。彼女の脳には悪性腫瘍ができていた。余命は半年から1年。それが優秀な医師の診断であった。同時に妊娠していることも分かったのだが遊びまわって来た彼女が胎児の状態から逆算してみると父候補は3人、誰の子かは分からない。秘書の提案で実際にどんな男なのかテストをすることになった。株の失敗で無一文になったと告げたのである。残った男は零。それでも彼女は産みたいと思った。胎児に悪影響が出ないよう治療を拒否する。
     ここから先は、この稿を読んだ方々の想像力で補って欲しい。

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    2021/03/29 23:04

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