実演鑑賞
満足度★★★
貧乏人の格好をした億万長者が、高級ホテルで見事冷遇され、最後は追い出される。でもほかでは得られない「友達ができた」。友達は、億万長者と勘違いされた貧乏な青年。青年の恋愛の行方まで絡んで、出来過ぎなくらい出来過ぎのハッピーエンド。ケストナーってこんなに甘い作風だったかな?と思ったけれど、厳しいナチス政権下だからこそ、明るい芝居を作ったのかもしれない。
ヒルデ役の佐藤礼菜の可憐さ、上流夫人役の瑞木和加子、安藤みどりの弾けたコミカルな演技がよかった。召使役の加藤頼も、板につかない富豪役から、召使に「仮装」するとイキイキするあたり、見事だった。