さて、本編、今作はサンテクジュペリ作品中最も有名な「星の王子さま」に繋がる前段としても鑑賞できるような作品だが、空を飛ぶことが命懸けであった時代に、正しく天を翔けることに限りない自由と楽しみを見出し得たサンテクジュペリやエラーブルの純粋性こそが、生命が最もその輝きを増す死の懸かる時空の央で、赤裸な思索に近づく。その時死生を越える位置を築き得ていた者だけが己の真実を掴むことができる。果てしなく広がる大地と宙とが繋がることを発見し、認識する主体として。このような体験をベースとして書かれた作品が「Le petit prince」であるなら、何故人々を感動させないなどということがあり得ようか?