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公演
『虔十公園林』 『双子の星』
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
J-Theater「
『虔十公園林』 『双子の星』
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10439)
満足度
★★★★★
「双子の星」この舞台も2日間だけで終えるのは勿体ないと感じた舞台である。
ネタバレBOX
双子星には、可愛らしいチュンセ童子とポウセ童子がそれぞれの宮を持ち、星巡りの歌に合わせて陽が沈むと銀の笛を毎夜吹奏していた。双子の星だからか、賢治は二つのお話を書いて一篇の作品としている。何れの話の内容も素晴らしく甲乙つけがたい。話の内容は措くとして、上演関係者について書いておくとしよう、チュンセ童子を演じた三浦 小季さん、ポウセ童子を演じた松尾 美羽さん、お二人とも若い女性である。お二人の息の合った朗読からは、チュンセ童子、ポウセ童子の愛らしく、純粋で優しく健気な童子たちの性格が見事に表象されていて好感を持った。水先案内役を務めた高橋 恵子さん(こちらはCD音声)の立ち位置は、賢治を客観的に捉え、提示するという姿勢を感じた。水産高校出身の自分の知る水先案内人というのは、甲種1級免許を持ち、長年世界の海を船長として航行してきた当に最高のプロフェッショナルである。(因みに今は法律が変わってこういう資格そのものが無くなったかもしれないのだが、要するにどんなに大きな船でも、地球上のどの海域を往く船でも船長になれる、バイクで言えば限定解除の船長だ)客観というのを厳密に捉えれば、無論、物理法則とか、数学の定理とかになるだろうが、ここでは、修羅場で常に正しい判断をし得た人が多くの他者から信頼され次の判断を任されるような人物の判断基準と一応しておく、高橋さんのナレーションには、少なくともそれを目指している態度を感じた。その背景上で、若い二人の女性が舞台上でいとけなさ(*ここでいう“いとけなさ”は所謂辞書の解釈ではない。人間は100に生まれ、1になって死ぬというようなことをヴァレリーも言っているが、存在の持つ可能性を指している。そして存在とはあらゆる論理に対し先んじて在り、存在そのものに対して現在の我々の知性は殆どその実体を解明していない。故に誉め言葉としてここでは用いている。)を出した演技が過不足なくチュンセ童子、ポウセ童子のキャラクターに呼応していた。
無論、今作でも多くのベテラン俳優が声の出演でサポートしているが、こうやって若手を送り出す努力を続けてきたJ-Theaterの活動にも賛意を表したい。
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2020/10/18 02:58
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