MISHIMA2020 公演情報 梅田芸術劇場「MISHIMA2020」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    三島由紀夫の作品を若い演出家がアレンジして再構築する企画。各一時間に満たない程の中篇で、休憩が二十分入る。NHKのカメラが入っていた。

    ①『真夏の死』(『summer remind 』)/作・演出:加藤拓也。
    中村ゆりさんと平原テツ氏の二人芝居。他に医者の声が入る。椅子に腰掛けた二人でスタート。中村ゆりさんが観客に向け自分の身に起こった出来事を語り始める。夏に家族で海に行くが、一人旅館で昼寝をしている間、子供が二人水死してしまう。子供達の死に対する罪悪感を背負い続けて生きていこうとする話。椅子が高くせり上がってライヴ会場になったり、出産シーンは桃(?)の形に膨らむ巨大なゴム風船だったり工夫が効いている。赤ん坊は巨大なへその緒で表現。中村ゆりさんがひたすら美しかった。

    ②『班女』近代能楽集より/演出:熊林弘高。
    乱歩の世界を美内すずえが漫画化したような話。背後のスクリーンに映像が同時進行で投影されたりする。

    ネタバレBOX

    加藤氏の魅力はその語り口にある。気の知れた友人に話すような口調で始まり、何となく物語に惹きつけられていく。子供を失った母親の贖罪意識がラスト、同じ場所で新たに授かった赤子を投げ棄てるという行為に終着。波を表現するのは無数の大きな水色のゴムボール、あちらこちらに跳ね続けている。妻の行動を知っていたかのように旅館の窓から夫はただ黙って見つめていた。

    大変申し訳ないが、『班女』は衝撃を覚える程つまらなかった。

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    2020/09/26 22:19

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