満足度★★★★
人類を問い直すためのダンス作品。規則的な動きを繰り返す人類と、変則的なうねりをつくる人類が交錯していくことで作品は進んでいきます。
人類が別の人類に出会ったとき、お互いの差を受け入れたり拒絶したりすることで生存の可否が決まっていく。これは生物的な普遍性でもあり、現代社会においては多様性や外交的課題にも繋がってくると思います。
果たして私たちはこれからも生存できるのか、より成熟した社会をつくっていけるのか。その答えはこれからの自分たち次第なのだけれど、このコロナ禍でさっそく生存戦略を迫られている中での上演となりました。動きの美しさに魅了され、物語のロジックを解く快感を得つつも、作品と現実を何度も行き来してしまう不思議な体験でした。