カラカラ。 公演情報 劇団もっきりや「カラカラ。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     タイゼツベシミル。(華5つ☆)

    ネタバレBOX

    差別・被差別の話だが、この問題を描くことには大きな困難が伴う。実に微妙な問題だからというのは無論のことながら、あっちやこっちから横やりが入るという状況をも意識せざるを得ないからである。その困難を押して作品を仕上げた作家に先ずは敬意を表すると共に、演出の意図を正確に読み取り自然な演技に昇華した役者陣の創造力・イマジネーション、身体性も高く評価したい。
     ところで、今作 成功の鍵は、直球で勝負している点にあろう。差別は、される側のほうがその本質を掴む。それは多くの場合、差別する側は、自分の頭を用いて深く考えずに、予断や習慣といった謂わば第二の「自然」に立脚して知的怠慢に陥るのみならず、それが知的怠慢でしかないことさえ気付かぬか気付かぬふりをするからだ。理由は、無論その方が楽だからであるに過ぎない。この辺りの曖昧さに対して、作・演出家は真っ向から向き合っているが故に、直球勝負なのだ。この姿勢には微塵も偏向や偏見がない。そして、この最も肝要な点を全員が理解し、創造していることから今作の素晴らしさが生まれている。本物の芝居である。
     無論、更に深読みすれば、差別が固定化することにより差別を受ける人々は、戦争の央であれ、或いはその準備の段階であれ、まっとうな意見を無視されるのみならず、故無きバッシングや恫喝、嫌がらせ、非人間的扱いなどありとあらゆる辛酸を嘗めさせられる。在日の方々、アジア・アフリカなどからの労働者、沖縄出身者やアイヌの血を引く人々などが、どれだけ不利で理不尽なもの・ことを押し付けられているかちゃんと目を見開き、バイアスをかけずにみれば誰の目にも明らかであろう。
     王は王であるがゆえに王であるわけではない。臣下や民が王と為すから王で居られるだけである。

    4

    2020/01/24 20:13

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    1

  • 中路さま、nadjaさま
     気に入って頂けたようで嬉しく存じます。
    今後ともよろしくお願いします。
                   ハンダラ 拝

    2020/01/27 18:40

    ハンダラ様
    観劇ありがとうございます。この時代に演劇をやることの覚悟を今更、思います。時にパウル・ツェランの「死のフーガ」がよぎったり。10歳の心で私も観続けたいと、思っています。

    2020/01/27 04:46

    ハンダラさま、本当に素晴らしい感想をありがとうございました!!皆で共有させて頂きました!

    2020/01/26 19:56

    皆さま
     アップが遅くなりました。申し訳ありません。
                     ハンダラ

    2020/01/24 20:15

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