十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men- 公演情報 feblaboプロデュース「十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     舞台は1950年代のアメリカ。18歳の少年が父親殺しの容疑で挙げられた。

    ネタバレBOX

    状況・目撃証言によると少年は圧倒的に不利な展開だ。ところでアメリカの陪審員制度について当パンに書いてある説明を少し引用させて頂く。
     陪審を務めることはあらゆる市民の義務とされているという。陪審員は裁判に立ち会うのは無論のこと、検察並びに弁護側から提出されたあらゆる事実を聞いた後、裁判長からその犯罪に関する罰則説明を受け、退廷後、陪審員室に集まり評決を出す。その際、有罪にせよ、無罪にせよ全員一致せねばならない。意見が一致するまで討論するか、意見の一致を見なかった場合は法挺に戻って一致しなかったことを裁判長に報告する。この場合、裁判所は新たな陪審員を選出し新たに最初から裁判をやり直すのだという。中々、大変な制度ではないか。が、基本的に陪審員は日数や手間暇の掛かることを除けば損得は無い。掛かるが故に罪は客観的に判断されると考えられるようだ。
     何れにせよ、有罪になれば18歳の少年は極刑である。十二人の陪審員は陪審員室に入った。

      一般的にヒトの判断を狂わせる原因にバイアスや習慣がある。だから理性的にもの・ことを判断するためには、この二つを予め排除して掛からなければならないのは無論のことだが、これが中々できないのが人間の性でもある。この辺りの普遍的な人間という生き物の性質を上手に出しつつ、而もアメリカという移民社会の特徴とアメリカ人気質を実に巧みに表現している今作、演出の池田さんの手腕も見事だが、池田さんの要求に良く応えて各々の演者がそれぞれアメリカ人のアメリカ人らしさを上手に肉付けし、国家アメリカではなく、アメリカ人の暮らすアメリカ社会を活写している点、旧き良き時代のアメリカらしさを出しえている点が素晴らしい。

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    2020/01/13 01:14

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