ハグで始まり時を隔ててハグで終わる、オープニングとエンディングの整った形式美とその両シーンで流れる同じマックス・リヒター?の郷愁を誘う曲の旋律との相性抜群の作品。 舞台セットのムーブメントの諸相が、舞台上の人物たちの振舞いと連動してその内面や人間関係の繋がりのデリケートな揺れ動きの表出に寄与しているだけでなく、その揺れを増幅して後方の観客にも伝えようとするアンプ的な役割を果たしている感もあり。また、ほとんど間を置かず連続接続する場面転換など『インコグニート』で魅せてくれたスタイリッシュな演出術の片鱗がうかがえるのも好印象。
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2020/01/13 00:24
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