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2223project「
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ハンダラ(10433)
満足度
★★★★★
Baudelaireでは無いが、
ネタバレBOX
まこと芸術とは売春の趣味だ。今作は演劇部同期の4人の女子が旗揚げし、小劇場劇団としてはそこそこの成功をおさめたと言って良い劇団の、否劇団ならではの内輪話を劇化した作品だ。1人で200人の観客を動員できる女優がいる。シナリオ担当者は、メディア向けのシナリオも書いており好評だ。而も劇作家兼演出家である彼女自身女優でもある。この2人が一目置く演技をする女優もいる。己の演技力のみならず、社会をキチンと観、押さえてそれらを作品に取り込んでゆく社会的な眼を具えた女優も居て頼りになるなど。劇団の構成員としては可也理想的でスキルの高さも中々のものである。が掛かるが故に問題は発生するのだ。力量のある役者は個性が強く、それぞれの主張にいちいち一理あるだけに、個性がぶつかり合い、時には嫉妬、時にはプライドの張り合い、時にはこれらに男女関係が絡んでくるから、生き物としての本能がぶつかり合うのだが、本人たちは、それが生物というものが根本的に抱えている組成自体の好い加減から来るなどということは微塵も考えない。あくまでそれぞれの個性なり、人格なり、プライドなのである。
つい先日、生物学者の中村 桂子さんのお話を伺うチャンスがあったのだが、既に亡くなったパスツール研究所の研究員でノーベル生物学賞を受賞したフランソワ・ジャコブは生き物を定義して2つのことを語ったという。1つは生き物は予測不可能だということ。もう1つは生き物は鋳掛屋のやっつけ仕事のようなもので有り合わせで出来ているということ。中村さんは、もう1つ加えて生き物は矛盾の塊だとおっしゃった。実に面白い。アホな政治屋や官僚共はヒトをヒトとも考えられず「働き方改革」などと生き物を機械扱いすることで単に収奪できる物と扱う訳だが、この辺りに彼らの救いようの無いアホぶりが如実に現れているから、どっこいそうは問屋が卸さない。アホな政治屋、下司官僚共にじっくり見せてやりたい血の通った面白い作品である。演劇ファンなら猶更楽しめよう。だって人間なんだから。
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2020/01/10 23:01
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