調和と服毒 公演情報 Ammo「調和と服毒」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    表現は、誰のものなのか?
    今作観ながら、根本的な疑問。
    今の時代だから、昔だから、その時代背景だけなのか。なにか、そうでないと、漠然と思う。性差なのか。圧倒され、考えがまとまらない。少し、時間をかけよう。約2時間、個人的に横文字名前が苦手だが、序盤に関係性、名前、などがわかるような話の流れなので、置いてけぼり感は全く無く、入り込める。結構、こういうの、個人的に大事ポイント。小説とか読んで、あれ?この人誰?となるとめんどくさくなるやつ。
    癖がある登場人物が、多い。人数も、多い。あの、工房の広さでいうと、全員だと結構満杯感があるが、不思議と嫌じゃ無い。絵画でいう、構図が美しく計算されているからだろうか。
    ある場展のシルエットで人々が動く所が、流れるように綺麗だった。物語は、いま、語るより実際、観てもらう方が一番良いのだが。
    表現に携わる人は、観たら、色々感じ取れるところが多いのでは。
    議論している議題も、確かに大事だと思うのだが、なんか、根本的な疑問を感じた。
    そこに、宗教観の違いは勿論あるのだが、それ以上に性差、身分、様々な「差別」が今も、昔もあって、それが全ての妨げになっているんじゃ無いかと感じる。「自分」の表現をしたい。
    それは、誰しもが持つ自然な欲求でそれが、なんらかの妨げで出来ない事。美を追求するという事、自分を追求する事、本来、イコールでも良い気がする。でも、そうはならない。
    前園あかりさんが演じた
    役の女性が後半、議論しながら徐々に、抱えている想いを言葉にする場面高揚する彼女に、心の中で「いけ!いけ!言っちゃえ!!!」と心の中で声をあげた。そして、何故か、涙もでそうになった。
    中野智恵梨さんの役。彼女は後に劇中の会話で判明するが「女性」として工房で仕事をしている。そこにも、財力や身分の差が関係してくる。彼女も、戦いながら、でも、「自分は・・」という少し、高い位置に身を置いてるような気がした。
    女性陣がどの方も凄く良かった。
    勿論、男性陣も良く、今回西川康太郎さんがラファエロ役なのだが、ある場面のやばい目線とか、ちょっと、思考的にギリなラインの変態ぽさを感じて良かった。津田修平さんのステファノ。この役での津田修平さんはとても、よかった。ある種、あの時代での権力を大きく持っている枢機卿であるビビエーノ・大原研二さんが、渋さというか、フランクな態度で皆と打ち解けているように見せてるが、一番、締めてる人間。彼には歯向かえない出演者皆さん、良い。ホン、演出の良さ、舞台美術、音響、照明、全てのスタッフワークがきちんと、仕事を仕上げているからだと。
    今作、照明がとても、柔らかい光だったような気がする。差し込む光の筋も場面によって異なった気もする。


    公演観て、
    前園あかりさんの役柄の女性に
    花を贈るとしたら‥。

    真紅のダリアが
    似合いそうだ。

    0

    2020/01/09 23:39

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大