佐藤辰海演劇祭 公演情報 guizillen「佐藤辰海演劇祭」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/12/30 (月) 18:00

    価格3,000円

    今年は(も)黄金のコメディフェスティバルないし、15MinuteMadeもないしで、ショーケース的なものがあんまり見れなかったな、ということで行ってきました。本当はサムゴーギャットモンテイプも見たかったんだけど、gdgdしてたらマチネが見れなくなりました。「人間嫌い」「劇団YAX直線」「日本のラジオ」の回。

    ネタバレBOX

    ・人間嫌い「タバスコは快楽の味」 ★★
    若い女子5人の座組。シェアハウスの悲喜こもごも。
    主人公は「つまらない人生」を送っている。アクティブに暮らしたり、未来に希望を持ったりの他の4人にコンプレックスを抱いている。
    食べ物にタバスコをまるごと1壜振りかけるくらいしか刺激がない……。
    それぞれにパラレルに、ときに交差しながら話す女子たちのセリフが入ってこないなー、と思いつつ、まぁ、そんなに必死に聞かなくていいんや、って思ってホッとし、続くお芝居をなんとなく心地良く眺めていたのに、最後、「他の4人」のうち2人に同時に悲劇が降り掛かったとき、そんな「悲劇」にすら羨望を抱くほど何もない主人公は、タバスコを衝動的に一壜丸呑みし、目覚めるとどうやら病院にいる……。「めっちゃ私の人生、ドラマチックやん」的なセリフの後、暗転して終わり、という。
    他の観客もリアクションがほとんどなかったように感じたし、あまりにもあっさり、ありきたりに終わった(ように感じた)のがちょっと残念だったかなー、と思いました。

    ・劇団YAX直線「斉藤和巳演劇祭」 ★★★★
    この演劇祭は「佐藤辰海演劇祭」で、演目名が「斉藤和巳演劇祭」。全力でフザけてますね。大好きです。
    主宰が「斉藤和巳演劇祭」を前に、まったく用意をしていない。何をすれば良いかも分からない。「過去問」を参考にしよう、ということで、過去2回の優勝作品をやってみよう、という構成。
    去年の優勝作品は、奇妙な民族に巻き込まれて刎頸されてしまう可哀想な少女の物語。的な?奇妙な仮面、奇妙な踊り、織り込まれる野球ネタ。(でも斉藤和巳は出てこなかったような気がする…)
    一昨年の優勝作品は、おかしな群像劇に迷い込んだ2人の青年。
    いずれも「お笑い」的にはすんごく面白くて、笑いを噛み殺しすぎて顎が疲れたんだけど、「これが演劇」って言われるとちょっとなー、という違和感が拭いきれませんでした。

    ・日本のラジオ「市役所にて」 ★★★★☆
    もっと社会が荒んだ近未来の市役所。入り口には問いに答えられないと来た人を食う(であろう)スフィンクスが居て、そこで整理番号をもらって、番号を呼ばれるのを待つ。職員は見当たらないけど、とりあえず灯りがあって、人が何人か居るところにいればいいのかな、みたいな……。
    間欠的に現れては番号で呼び出す職員。整理番号は連続していない。他にも待合場所があるのだろうか、そんな手探りな情報の欠片を集める、待つ人たち。静かな、間を贅沢に使う芝居。想像を超えるギミックも織り込まれていて。
    そして……個人的に「日本のラジオ」で好きになれない、終わりの部分が、演劇祭のルール「30分を過ぎたら『ギジレン』のメンバーが乱入して、お芝居を強制的に終わらせます」を逆用することによって上書きされたのがとても良かったです。

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    2019/12/31 00:28

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