ドンドン、トコトコ、小さじ一杯。 公演情報 DTK企画「ドンドン、トコトコ、小さじ一杯。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     1「ミルク」2「Behind the Moon」3「遠くから聞こえる」という3本の作品のオムニバス。3作各々演出家が異なり、作風、内容的にも全く違う。

    ネタバレBOX

    受付を担当していた女性が好印象。先ず1から。嘘か真か、母は1万円と手紙を残して海外出張中、時々父が帰るらしいが定かでない。若い女な寂しさをかこっている。食費として与えられた1万円で食べるのは常にピザ。無論様々な種類のピザをハーフ&ハーフで頼んで配達して貰って食べているのだが、いつの間にか配達に来る、余り冴えているとは言えない若い男にほのぼのとした恋心を抱くというだけの物語。今作の主張は、この若い女の淋しさそのもの。
    2は、BLモノなのだが、作品全体の半分くらいの間、照明が極めて昏い。3年付き合った2人のゲイのうち猫がタチを振ったのだ。原因は執拗なタチの浮気であった。タチの言い訳としては愛しているのは、逃したネコだけ、というのだが無論誰も信用しない。ところでこのタチに女友達が居て、電話を寄こしたタチの飲んでいる店に現れた。2人が飲んでいる時、女に電話が入り彼女は店を出た。男が居た。それはネコであった。彼は両刀使いだったということなのだが、タチが彼女を侮辱したことに腹を立てたネコがタチをブチのめす。BLに通常のヘテロカップルの恋を絡ませて現代都市に生きる人間達の孤独を描いた作品。
    3 発想が面白い。固定であれ、携帯であれ、電話が掛かってくる。そして受け手はその度に異なる。幾つかのプロットが裁断された上で、ショートショートになっているのだが、それらのショートショートはシャッフルされていてAというプロットのショートショートが演じられた後Bのショートショート、次はDのといった按配で展開するので繋がりながら切れ、切れながら繋がるという奇妙な体験を味わうことができる。ただ、2人の役者が科白には役として描かれていても役者としては存在していないケースもあるので予算がつけば必要な員数の役者を登場させると更に面白くなりそうだ。また、1、2については日本の若い人達の世間との関わりが弱すぎることが気に掛かる。ヘテロにせよBLにせよ関係性は2人称という世界であり、世界観で3人称に対応する世界が欠如していることが、安倍のようなパシリ阿呆の言う嘘を見抜けないのか、或いはその危険性に気付かない原因だと思われるからである。戦争に行って最も多く殺し殺されるのは、君たち若い世代なのだよ。そんな現実を今から想像できないようでは若者の将来が真っ暗なのは当たり前。

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    2019/12/23 09:52

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