死と其前後 公演情報 ずるむけ般若「死と其前後」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    思い浸れる良い芝居だった。

    もし、自分の大切な人が死に近づいていくような状態だったら自分は何をしてあげられるだろうか。逆に自分が介護してもらう側にだったら、何をしてあげられるだろうか。

    結局、他人のためにできることは無く、自分は無力であって。
    ただ、効果が無くても、誰かのために不器用でも丁寧に紡いだ言葉は、姿勢は、美しく、愛おしい。

    救いは、希望の中だけのものではないと感じた。

    ネタバレBOX

    ネタバレというか、思ったこと。

    死は優しさでもあると思っています。
    生まれた時から、一人として例外なく、皆の側に居てくれるものなので。
    まだ私の前には現れてはいませんが、いつか、芝居の中の“死”のように現れて終わりを知らせてくれるなら凄く親切で嬉しいですね。

    大切な人たちに、感謝の言葉を伝えた上での死は、優しさに溢れているとも思いました。
    だから、A子を包む死は、悲しいだけの死ではなく、優しさも含んでいると思いました。
    長く苦しい闘病生活の終わりを作ってくれるわけですし。

    沢山、死のことを考えるきっかけとなり、楽しいです。

    指先まで作り込まれた役者の丁寧な演技。
    音響照明の効果的な差し引き。
    受付スタッフの丁寧な対応。
    掛け軸の絵。朝顔の落ち方などなど、素敵なところだらけでした。
    たぶん僕が知らない、気づけてない演出も沢山あるんだろうなぁ。

    とても好きな芝居でした。

    0

    2019/12/14 23:47

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大