死に際を見極めろ!Final 公演情報 ライオン・パーマ「死に際を見極めろ!Final」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     オープニングシーンが良い。

    ネタバレBOX

    上・下に設えられた出捌けは長短のパネルの配置で構成されており、表面には太い雨脚の痕のような、これも矢張り長短取り混ぜた線が描かれ丁度センターには客席側の角を斜めに切ったちょっと厚めの平台が置かれ、最深部のパネル中央が開閉可能の扉、この扉の奥に小部屋のようなスペースが設けられ、進行する内容に従って様々な小道具が置かれ、実に重要な意味を担って利用される。平台上は、主人公の実家の団欒の間になったり、課されたミッションの実験ラボになったりと千変万化、この活用ぶりも見事である。
     設定としては、某TV局放映の大ヒット刑事モノの名場面を超える作品を撮ろうと看板役者、監督が組んで、劇作家界の大御所にそれぞれ看板役者の死に際を書いて貰い、数百ページにも及ぶ脚本を各劇作家の表現のままに脇が固め、その中で看板役者は自由に自分の裁量で演技するというコンセプトなので、主人公も自分の役どころが分からない所から始まるのだが、その道先案内とも取れる形でファーストシーンが描かれている等、この劇団の底力をビシバシ見せてくれる。そしてかなり錯綜した筋立てがそれぞれ巧みに組み合わされて、納得のゆく筋をキチンと通しつつ、防衛・防御とはどのように為されるのがベストかについての本質的な両論、即ち武器を更に破壊力の大きな物にして敵を震え上がらせるなり、軍拡競争に持ち込み経済的に破綻させて勝つのか? 或いは武装ではなく、どんな利害の食い違いも話し合い理解し合うことによって解決してゆくのか、といった本質論がさりげなく挿入されてもいるのだ。この辺りの深浅、ギャグと人生の絡み合い、そして様々な映画やTV番組とのマッチング等々、エンタメ要素も加えつつ、粋な終盤に向かって話が進んでゆく。

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    2019/12/14 01:27

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