ローマ英雄伝 公演情報 明治大学シェイクスピアプロジェクト「ローマ英雄伝」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     流石に明治大学シェイクスピアプロジェクト。今回の公演ではシャイクスピアの2本の脚本をローマの英雄という括りで一挙上演。とありきたりな評を書いても仕方がな!(華5つ☆)追記後送、色々、書きたいことがあるのでちょっとお待ちを!(
    1回目追記。2019.11.11)

    ネタバレBOX

    「ジュリアス・シーザー」では、民衆を操る「政治」というものの本質が、キャシアスによって身体化されると同時に民主主義と独裁(ディクタトル=終身独裁官)との本質が描かれているが、平民や群衆を統一されたダンス表現で表す演出は、当に「国家」がその「国民」によって支持され共同幻想として成立しているという本質を表して見事であると同様、視座を変えるなら、国家の為政者共が仕掛けた罠に過ぎない国家という共同幻想によって、そこで力を揮う卯為政者共を偉いと認識することによってのみ逆転する価値の転換が起こる。即ち平民達は恰も国家とそれを動かす為政者が主、自分達が従であると看做す狡猾な仕組みを表しているのである。キャシアスは、この点を突いた。公共観念の強いブルータスに対してディクタトルになろうとするシーザーが野心家であると焚きつけた訳だ。ブルータスが夢見ていたのは、最終的には、主権者として平民が主体となる民主制だと思われるから社会正義の為にシーザーを屠ったのである。
     因みに冒頭のダンスの見事な統一性は、「国家による教育」によって個性を喪失させ、同一の価値判断と同一の行動パターンを埋め込まれ画一化された個々人が表されている点も見逃すべきではない。こうした点には、現在我が国で着々と進行している為政者共の虚妄を暴くヒントが隠されている。

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    2019/11/11 03:37

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