赤と黒のオセロ 公演情報 ウィークエンドシアター「赤と黒のオセロ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     取り敢えず評価だけ。追記第1弾2019.9.17 18:08 追記第2弾 2019.9.27 14時53分

    ネタバレBOX

     板中央客席寄りに小机とパイプ椅子。無論、役者は客席を向いて座る。1人の男が現れる。名前を高見沢という。人を3人殺害した廉で逮捕され、面会に来たジャーナリストに対し受け答えをする設定だが、登場人物2人は、対面する形になっていない。即ち役者2名による独り芝居の体裁を採っている訳だ。本人は3人を殺害したことを認めており、事件を起こした時点で正常な判断力を持っていたと主張しており、死刑になるのは当然だと認めているのだが、被害者は4歳の彼の息子、搬送先の病院の医師、そして犯人の母の3人。高見沢は息子を愛していたが、厳格な父に体罰を喰らいながら育てられた為、子供を躾ける為には口先で言葉を用いて注意するのではなく、傷みを体で分からせなければならないと考え時折体罰を加えていた。妻とは離婚しているが、息子の親権は自分が持っている。
     この高見沢に対し、ジャーナリストは冤罪だとの立場からそれを証明する為の取材をしに面会に来ている訳だ。然しこのジャーナリストは2年前に痴漢を疑われた男性がネット上にアップした文章の「自分は痴漢をやっていない」との内容を信じ、スクープ記事を連載していたが、大誤報と責められた挙句件の男性のアカウント赤と黒のオセロは削除され、男性自体存在していないということになっており、それ以降トラウマを抱えることになった。興味深いのは、今作の作り方である。高見沢、ジャーナリスト各々が1人ずつ登場して演ずるのだが、彼らの科白の中には何一つ客観的なことが含まれていないことである。彼らは自分の考えや意は述べるが、事実として果たしてそれが正しいのか否かを客観的に判断できる明澄性はいずこにも存在しない。例えば、この痴漢とされた男が実在し冤罪であった場合でも、被害者とされる女性が「この男です」と主張して譲らなかった時には彼自身の無罪をどのように証明するのかは可也難しいと言わねばなるまい。痴漢騒ぎが起きるのは混み合った車内などの事が多く、仮に目撃者が居たとしても自分の用事にかまけて証言など普通してくれないし、大体急いでいるから直ぐに現場を離れてしまい2度と会うこともあるまい。
     “赤と黒”という言葉がタイトルに入るが、これは痴漢を疑われた男のツイッターアカウント名であると同時に、無論ジュリアン・ソレルの野望を彷彿とさせる。

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    2019/09/16 12:00

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  • 皆さま
    追記といえるほどではありませんが、ほんの少しだけ
    アップしました。早目に続きを上げます。
                       ハンダラ 拝

    2019/09/17 18:10

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