暁の帝〜朱鳥の乱編〜 公演情報 Nemeton「暁の帝〜朱鳥の乱編〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     壬申の乱以降の混乱に対し、人間性の表現がやや弱いか。 朱を拝見。(追記2019.6.18 01:33)

    ネタバレBOX

     政治と人情双方を描いた点はグー。然し、人間の生の生々しさに物語を落し込むには少々、頭でっかちか。
     壬申の乱以降の未だ世の中の落ち着かない動乱の時代を描いて居る為、シェイクスピア作品のような長台詞と真に劇的な政治の対立状況を際立たせ尚人間的な価値を追い求めなければ、歴史の持つ必然性の力に呑み込まれて観客のメンタルレベルで落涙させるとか、大きな感動の渦に巻き込むということはできまい。
     極めて興味深いのが舞台美術で、板中央の大部分を占拠するかのような大円盤の手前が奥より薄くなるようそぎ落とされ傾斜が付いている他、基本的に何も無い空間が鮮烈である。
     物語りはお定まりの、皇位継承権を巡る争いに恋が絡むという単純な形が基底を為すが、額田王を巡る天智天皇と大海人との争奪戦はさておき、今作ではその後天智の皇后となった讃良及び讃良の産んだ草壁皇子、蘇我氏再興を目指す安麻呂の陰謀を動乱の中枢に据え、3名の皇太子候補{草壁皇子(皇太子に任命/歌人・大名児に恋)、大津皇子(クーデタを画策)、高市皇子(高市と許されぬ恋仲の天武と額田王の娘十市は、伊勢神宮の巫女に任命されるも安麻呂に斬殺される)}が、母宮の出身階層差と各々の能力、性向、特性、現天皇大海人(即ち天武)の判断を巡り、これまた大方恋の因縁絡みで展開するのだが、脚本の弱さは、政治の血も凍るような冷徹がキチンと描き切れていない点にもある。甘いのだ。だから、十市の痛切な和歌、その生母額田王の名歌も草壁の歌もイマイチ生きて来ない。

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    2019/06/16 12:10

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  •  書かせて頂いた通り。もっとドラマティックな脚本にしないと平板になってしまいますね。

    2019/06/18 01:35

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