叫べ!生きる、黒い肌で 公演情報 アブラクサス 「叫べ!生きる、黒い肌で」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     必見! 華5つ☆(若干追記2019.5.12)

    ネタバレBOX

     オープニング早々、ビリーがシバーナにリクエストしたのは、「ストレンジフルーツ」ビリー・ホリデイの歌った有名な曲である。この異様なタイトルだけで感受性の鋭い人は震撼せざるを得ない程凄まじい内容の歌であるが、これだけ劇作家としても才能のあるアサノさんが、大変長い時間を掛け、練った戯曲だけあってその構成の見事さについても特筆に値する。今回もアサノさんは作劇・演出・女優として八面六臂の活躍だが中心になる歌手役にプロの声楽家をキャスティングしている判断も正しい。
     クラシック畑で育ったシバーナはこの曲を知らなかったので「サマータイム」を歌うのだが、胸に染み入るような歌唱は、演じたSetsukoさんが曲の魂を正確な英語発音で表現して見事である。
     一見して分かる通り、今作はアメリカの黒人差別が一応撤廃されるまでの20世紀中盤から後半への過渡期を描いた作品であるが、多くの日本人には差別の意味する所が分かっていないようである。差別の最も顕著な特徴は、差別する側にとって、被差別者の痛みが理解出来ていないということを理解し得ていないということにある。今作でも、リンチにあった黒人を笑物にしている白人の話が出てくるが、これと全く同じ本質を持つ差別がイスラエルのシオニストによって元々パレスチナであった場所で、日々パレスチナ人に対して行われている。
     物語は白人と黒人のハーフとして生まれたサラが育ったフランスからNYへ来、「母」シバーナの話したがらない過去の来歴を訪ね歩く所から始まるのだが、それには、母の親友、ビルとの関わりから始めねばならない。母は教会のシスターの娘として生まれ、カーネギーホールでピアノリサイタルを開くことを夢見るバッハファンのうら若き娘であったが、その天才的な才能にも拘わらず、クラシックの世界からはハジキ出されてしまった。失意の末彼女は場末のバーでジャズピアノ等を弾き始める。この店で出会ったのが、後に親友になるビリーであった。

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    2019/05/11 09:34

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  • ありがとうございます!

    2019/05/20 19:21

     羽杏さま
     お忙しい中、コメント有難うございました。
    昨日は、江古田にある古藤というギャラリーでやっていたグループ展を見に行ったのですが、6名の作家のうちの5名が丸木美術館繋がりという意識の高い女性アーティストで他に星野 文昭さんの代理の方が彼の作品を展示していて昨日は最終日だったので作家。出展者は星野さんを除く全員と代理の方がいらしていて想像していた通りのオープンな対話を楽しみました。昨日お会いした作家さんのうち、今迄直接話したことはなかったものの、互いの友人の個展などでお見かけしていた方が1人いらして、話をしてみると広島で幼児の頃被爆なさった時、ピカの光を見た直後に意識を失くしたそうですが、その後、雷光のような強い光を見る度に体が硬直していたのは、ピカを見た時の恐怖によるPTSDであったことが漸く理解できたとおっしゃっていました。核被害の恐ろしさは、核爆発の場合には余りにも規模が大き過ぎて想像力が追いついていかないことと、飛散した核種による被ばくの場合には、五感で被害をリアルタイムでは認識し得ないので被害を受けている瞬間には、何も感じられないという認識の不可能性の問題が在りそうで想像すらできないことを恐ろしさを改めて感じています。
     今日は、お茶大でジェンダーについての講演があったので行ってきたのですが、ボーヴォワールの「第二の性」や「娘盛り」と明仁さんのお嫁さんの美智子さんと樺原美智子さんの二人の美智子と日本の女性誌が報じた読者女性像や、明仁さん、美智子さん夫妻が、戦後の都市中流生活者の理想像としてメディアで喧伝されたことなど、興味深い話がたくさんでました。ボーヴォワールのフェミニズム先駆者としての位置や彼女の主要著作である上記二作の翻訳(誤訳や最初の訳者が男性であったこともあり、ジェンダーの微妙なレベルでボーヴォワールのイメージが誤解されたので、新訳がでたものの、こちらも翻訳者のスタンスとボーヴォワールが本当に表現しようとしていたことの隔たりがあるのではないか? といった問題点など)論も語られ、各発表者の発表後、コメンテーターのツッコミも為され極めて面白いシンポジウムでした。自分はあちこちの大学のシンポジウムに顔を出しているので、もしご興味あればご連絡下さい。尚、自分が出掛ける大学は、東大、東京外語大、お茶大、立教、上智、明学などです。では、また。
                                 ハンダラ

    2019/05/19 23:11

    ご来場頂きましてありがとうございました。いつも、本当にありがとうございます!
    温かい感想頂きいつも励まされています!
    終演後もいつも声をかけて頂きましてありがとうございます。
    これからもアブラクサスをよろしくお願いいたします。

    2019/05/19 12:23

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