さようなら 公演情報 オパンポン創造社「さようなら」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     淡路島にある小さな町工場を舞台に巻き起こる,変わり映えのしない日常脱出を求める若者たちと工場社長、スナックのママを巻き込んだ極めて個性の強い、大阪らしいキャラが目一杯詰まった東京便。初日配信!! ,

    ネタバレBOX



     舞台美術は極めてシンプル。奥に平台を置いて横一杯に広がる踊り場とし、その中央に壱段設けて階段としている。その手前下手には、背凭れを後ろにした椅子2脚、上手には奥に3脚、少し離れた手前に真ん中を抜いて2脚の椅子が置かれている。無論、これらは、適宜配置変えされ得る。だが、他に用いられる家具は無い。小道具を用いて微妙な心理描写などを表現するシーンもあって、中々芸が細かいことに感心、全体的にスピーディーに展開するが、余りスピーディーになり過ぎてスベルのを懸念して間の取り方に工夫を見せるなど演出もしっかりしており、役者陣の芸質の高さと真摯に役作りに励んでいることが良く分かる好演、熱演だ。
    基本的にこのレイアウトは、役者の力勝負。キャラ設定は如何にも大阪らしい強烈なキャラばかりであるから各演者の振幅の幅も強度もスピードも並ではない。だからこれだけでは、芝居自体の強度のせいで芝居が瓦解しかねないのだが、そのテンションの高さを引き絞るような、海に囲まれた淡路の大地の閉塞感そのものを表現する柴田役の科白と物語のメインストリームの流れが対峙拮抗して光を発している。舞台挨拶時の役者陣の様子は、デリケートでありつつ、根の真面目そうな同時に爆発力を秘めた頗る好ましいものであったが、中で柴田役を演じた役者さんの自由で広がりを持つ印象が、今作で扇の要となって総ての役者さんのキャラをその見事なキャスティングと共に活かしている印象を受けた。

    0

    2019/04/19 11:41

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大