カフカの猿 公演情報 シアターX(カイ)「カフカの猿」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     英語、字幕無しだが、これだけ素晴らしい舞台がたった1000円。どんなことをしても見るベシ。華5つ☆ あと2回マチネ公演がある。2度目の人は500円。

    ネタバレBOX

     世界は無駄に広くない。それをつくづく思い知らされた素晴らしい演技であった。日本で形態模写を演ずる役者は殆ど見ないが、韓国や中国を始め、スタニスラフスキー演劇や、その継承系であるメソッド演技等を学んだ役者の中には極めて素晴らしい形態模写をする役者がいるものだ。(中国の京劇には、悟空役で耳を動かす役者は昔から居るが)今回は独り芝居だが、ハワード・ローゼンスタインさんの演技は当に世界は広いということを思い知らせるに充分である。F・カフカの書いた「ある学会報告」という作品がベースになっているが、これにイラク戦争で悪名を馳せた傭兵企業・ブラックウォーターとこの企業を用いて正規軍ならやらないようなダーティーな戦争犯罪(レイプ、略奪、拷問、市民虐殺等々)を散々やらせたチェイニーやラムズフェルドら戦争犯罪人をも極めて普遍的且つアイロニカルな視点から揶揄して見せた傑作だ。ケベックで活躍する劇団だが、モンレアルで通常用いられているフランス語ではなく、この都市で暮らす英語系住民40万人ほどを対象に公演を打っている劇団なので科白は総て英語だ。日本でも字幕はつかない。然し、優れた役者・演出家というものは、言葉が十全に伝わらなくとも、その優れた技量と身体表現、動きや間の緩急、トーンの強弱やエネルギーの用い方で更にユニヴァーサルな表現領域を獲得しており、それによって観客を魅了してくれるものだ。この舞台は当にその体験の場である。今回、来日予定だった演出のギー・スプラングさんは、同時に役者でもあり、映画出演の為来日は適わなかったが、ステージマネージャーのケイト・ハゲマイヤーさんが同道している。

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    2019/04/12 00:11

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  •  みなさま
    素晴らしい舞台をありがとうございました。
                  ハンダラ 拝

    2019/04/12 00:14

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