満足度★★★★★
名優中山マリさん、鴨川てんしさんお二人が、それぞれの演目を一人で演じる。お名前の順番は、レディーファーストにさせて頂いた。総論から始めると、極私的演劇論ということになろうか。今更、言うまでもないことだが、演劇は総合芸術だ。それは、劇作家、役者、演出家、舞台美術家、照明さん、音響さん、制作スタッフや観客総てが相俟って創る壮大な想像力の時空であり、その総合力が機能する場である。そのキーになるのが、本番で板の上に立つ役者さんだ。殊にその能力の高さ、個性、そして個人史を当に我々も生きている同時代の現代史に刻んでこられたお二方の、齢を重ねた身体を通して人間を晒す力には、改めて世界を見直す契機を頂いた。(追記3.26本日、マチソワあり)