満足度★★★★
ポツンと燈の浮かびあがる、談話室における暗闇シーンは良かった。この演出は「背徳の共有化」だろう。難儀であったのは口元が見えないために台詞が聴こえない(補足できない)、どの人物が言ったかを追えないからだ。
気品のなかにも旺盛な立志精神を感じられる女学生(特に光島役)たちの演劇は素晴らしい。文語体が(新庄役も)実に適っている。
しいていうなら改革派教師・安達の「叫び」はやり過ぎだ。感情のままにブチ切れているとしか思えない。体育教師も、ピエロ役なら三枚目に徹するべきよ。どういうことか。「男尊女卑」だけどそれは大正の社会からいったら仕方ないことで、憎めないキャラとしても成立したんじゃない?