満足度★★★★
内容を一言で書けば「4人の女性と美青年プラトーノフの愛と破滅の物語」ということになるのだろう。
わかりやすいストーリー展開、はっきりとした人物像で理解に何の苦労もない。だがわかりすぎることによって凡百の不倫ドラマと何が違うのかという素朴な疑問が湧いてくる。
私の知っている唯一のチェーホフ劇である「ワーニャ伯父さん」と同様にロシア帝政末期の没落中の貴族がメインの登場人物である。「ワーニャ…」では彼らの日常の生態がテーマだったが今作ではそこを掘り下げる様子はない。私の結論は「違いはない」である。これは野球のグランドであって、観客はグランドそのものではなくプレーヤーの妙技を楽しむのである。
そうとなれば楽しむ材料には事欠かない。
藤原竜也さんはあの華奢な体のどこにあんなエネルギーがあるのか驚くばかりだ。最後まで感心して観ることができた。後半はらくだの長袖シャツと股引という下着姿である。いかに彼であっても見るに堪えない。しかしそれが楽しみというファンも多いのだろう。嬉しくてたまらないという笑いが続いていた。
浅利陽介さん、私にとっては「相棒」に少し前から参加している変な奴だが、調べてみると子役からずっと活躍中のベテランなのだった。切れの良い演技で序盤の舞台を仕切っていた。昔なら一心太助か森の石松が似合いそう。
神保悟志さん、「相棒」をはじめ他の番組でも飽きるほど見ているはずなのにキャスト表を見るまでわからなかった。扮装が凝っているためなのだが声でわかっても良いはずなのにちょっと悔しい。
4人の女優陣の素晴らしさはもちろんであって省略する。